あなたの医療は適切ですか 第3回
健康寿命を華齢(加齢)に
安富 トキ子 保健婦として長年高齢者の健康維持に従事する。
廃用性症候群を防ぐために
あんまりのんびりしすぎるのも考えものです。用事がないからといって,ほとんど家に閉じこもり,一日中テレビを相手に過ごしているうちに,からだは徐々に衰えていきます。
実験によりますと筋肉というのは,通勤などの軽い歩行を続ける日常生活では,同じ筋力を維持することができます。そして筋力トレーニングをすることで,1週間で約10%増強されます。ところが,ほとんど寝たきりのような生活だと,たった1週間で20%も低下するという結果がでているのです。さらに高齢者では,わずか4日程度寝込んだだけで,関節が固くなる細胞が増えてくるといいますから,さらに回復には時間がかかってしまいます。
運動機能の衰え
衰えるのは筋力だけではありません。神経や関節の働きはもちろん,バランス感覚,敏捷性も低下します。ですから,つまずいたりぶつかったりした時に,とっさに危険な状態を避けることができずに,骨折したり,大きな怪我につながってしまいます。
循環器も衰える
運動機能だけでなく,心拍数や持久力の低下も見逃せません。循環器が衰えることで,動脈硬化が進行しやすくなります。
そのほか,自律神経にも影響がでて,抹消血行不全を起こしたり,消化管不全による食欲の減退など,肉体にさまざまな障害が起こってきます。
やはりからだを動かすこと
筋肉や内臓の衰えを防ぐためには,日頃からからだを十分動かすことです。なかでもぜひ実行したいのは歩くことです。
次回は歩く効用についてご紹介します。自らの健康管理こそが健康の基本であり,ひいては無駄な医療費の削減につながることを肝に銘じておきたいものです。
患者・家族のためのナースによる電話相談技法
1講座ごとの聴講ができます/1講座3,000円/時間 18:00〜20:00
11月2日(金) |
循環器疾患のアセスメントと対応[2] |
|
|
道場 信孝先生(元帝京大学医学部) |
|
11月9日(金) |
整形外科疾患のアセスメントと対応 |
|
|
星川 吉光先生(聖路加国際病院) |
|
11月16日(金) |
泌尿器科疾患のアセスメントと対応 |
|
|
福井 準之助先生(聖路加国際病院) |
|
お電話でお申し込みください(03)3265-1907