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新老人と家族の会
島田正吾「芝居読み」と講演会
2001年11月27日(火) 13:30〜16:00
ゲスト 島田 正吾先生 秋山 ちえ子先生
日野原 重明 「新老人の会」会長
(財)ライフ・プランニング・センター理事長
参加費 2,000円(新老人の会会員およびLPC会員は1,000円)・会場 千代田区公会堂
申し込み連絡先
〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-5砂防会館5階
ライフ・プランニング・センター「新老人と家族の会」係あて
TEL(03)3265-1907 FAX(03)3265-1909
一人1枚往復はがきでお申し込みください。参加費は当日会場でいただきます。
朝日新聞9月21日夕刊金曜らうんじ「川村二郎の世間話」より転載
 
「職人」2人 計179歳
 「みなさまこんにちは」の名調子で始まる朝のTBSラジオ「秋山ちえ子の談話室」が9月で45年目に入った。
 17日、東京・赤坂のACTシアタ{で開かれた45周年の記念の集いには、1300人の募集にほぼ3倍の応募があった。番組の根強い人気に加え、この日は「ひとり芝居」で話題を集める95歳の島田正吾が「平家物語」や「国定忠治」の名場面を芝居読みする。それも人気に拍車をかけたようだ。
 2人は同じ町内の目と鼻の先に長く住み、寿司屋に誘い合うこともある。しかし同じ舞台に立つのは、はじめてである。
 幕が上がると、黒自の縞のジャケットに黒のロングスカートの秋山さんが、すらりと立っている。その手を取って、島田正吾がエスコートする。
 やがて179歳のカップルは音楽に合わせ、舞台中央にゆったりと歩を運ぶ。「バラ色の人生」の甘美な旋律がぴったりと合って、2人はまるで世界一周の船旅を楽しむ老夫婦のように、優雅だった。
 演出は島田正吾。秋山さん、手に手を取って歩く練習は、みっちりさせられたらしい。
 「あの方、うちの近くでお会いすると思わず「お手を貸しましょうか」とお声をかけるほど、足元が危なっかしいの。しかも「この場面はノーメークで背広だから、芝居をする気分になれないんだ」とおっしゃっていたのよ。でも本番が近づくと、「お客さまに喜んでいただくためには稽古です」とおっしゃって、舞台にいったんお立ちになると別人のようになられる。本当の舞台人ですね」
 「私たちに共通することといえば、2人とも自分を職人だと思っていることではないかしら。私は毎朝、タネを1粒まくようなつもりで、自分の目や耳で確かめた、心にとまるようなお話を一つ、ラジオでしてますでしょ。ラジオ話の職人だと思っています。あちらも、俳優といわないで「僕は役者です」とおっしゃって、幕の上げ下ばから小道具の一つ一つ爬いたるまで、とことん納得しないことにはおさまらない。どこにいって何を見ても、舞台に生かそうとなさる。職人気質そのものでいらっしゃいますでしょう」
 初共演した翌日、秋山さんは番組収録のため昼前に家を出た。スタッフの打ち上げに前夜遅くまでつき合った島田さんはいつものように朝9時に起き、10月の芝居のセリフのけいこをした。4年後、秋山さんは88歳、島田さん砥99歳になる。米寿と白寿の共演が楽しみだ。








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