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新老人の生き方に学ぶ[7]
パソコンヘの挑戦
熊谷 眞
 
 15年前に職業生活を終わってすぐ,ライフワークともいえるライフプラン教育に携わることになりました。資料作成に便利なので,前から関心のあったワープロを購入,ガイドブックを片手に毎日悪戦苦闘し,何とか使えるようになりました。
 それから約10年,2台程買い換えましたが,ずいぶん役に立ちました。そのころ次第にパソコンのことが目につきだし,時代に遅れまいという気持ちから,とりあえず近くのパソコン教室に通うことにしました。若い人にまじって手ほどきを受けましたが,習うより慣れろとばかり,ちょうどウインドウズ95が発売されたのを機会に,デスクトップ型のパソコンとプリンターを購入しました。
 内蔵されていた「一太郎」で文書作成をはじめましたが,ワープロと違って機能が複雑なので,慣れるのにしばらくかかりました。トラブルがあるとガイドブックで調べ,それでもわからないときはサポートセンターに連絡しますが,電話がなかなか通じず苦労しました。とくに簡単な作表などは,ワープロのほうが慣れていて便利なので,それぞれの持ち味を生かして併用していました。
 そのうち家計簿や住所録ソフトを入れて経営管理や,年賀状作成などに範囲を広げていきましたが,インターネットも活用してみたくなり,たまたま地域の新聞で知ったアドバイザーに相談して,ネットに接続しました。仕組みがわかれば,これはそんなに難しくなく,中高年関係の雑誌で知り合った仲間とのメール交換や,仕事関係の連絡に使っています。
 しかし,いろいろな機能に使おうとすると,容量が足りなくなってしまいますので,2年前にウインドウズ98のものに買い換えました。容量も十分で,使える機能も前より多くなりました。ただ困ったのは,前のパソコンのデータがそのまま使えなかったことで,住所録などはまたはじめから入れ直しました。
 文書作成ソフト「一太郎」や年賀状ソフトは新しいものが出るので,時々入れ替えるほか,いろいろな新機能の宣伝で気が動いたりすることもあります。しかし主眼は文書作成なので,その中でまだ使い切っていない操作に熟達することを当面の課題としています。
 最近自分史を作りましたが,これはパソコンで入力した文書を業者に送り,写真を入れて印刷して作成したもので,比較的経費がかからずにすみました。今度は写真などを自分でレイアウトして,編集してみたいと考えています。そのためデジカメで撮影した写真の取り入れや,またビデオカメラの編集もパソコンでやってみることにしました。
 高齢者もこれからどんどんパソコンに親しんでいくことが必要だと思いますが,私の体験から得たことは,分からなくなるとすぐ人に聞いてしまうより,自分で苦労しながら試行錯誤して覚えていくことが何よりで,またあれもこれもと欲張るより,自分の目的を中心にして一歩一歩進めていくことが大切だということです。パソコンは年寄りに向かないなどと考えずに,老化防止のためにも,うまく活用して新しい世界を開いていくことができれば,これに越したことはありません。
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