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北九州市における都市型新産業の育成方策
 北九州市 企画・学術振興局 企画政策室
 主幹 阿?? 和憲
1 現状分析
 現在、都市づくりの視点としてサスティナビリティが取り上げられている。 近年の消費型社会から循環型社会へという生活形態の変化や、環境への配慮に伴い「持続可能な社会形成」を行っていくことが、世界的な流れとなっている。
 このため、我が国においては、1993年11月に環境基本法を施行し、1997年の地球温暖化防止京都会議等の国際的な動きにあわせてリサイクル関連法、新エネルギー導入大綱等の制定が行われた。
 一方、私達は便利で快適な現代生活を、大量生産、大量消費という生活形態の中で享受しているが、この結果、多量の廃棄物の処理が都市圏をはじめ緊急の課題となっている。
 さて、北九州市においては、1901年に官営八幡製鐵所が開所し、以後重化学工業を中心とした産業都市として発展してきたが、近年では産業構造の転換、エネルギー政策の変換等で、産業の空洞化が著しくなっており、新たな産業立地に向けた取り組みが必要となっている。
 また、本市は、産業都市としての発展の代償として、世界に類をみないほど深刻な公害を経験し、産・学・官・民が共同してこれを克服した歴史がある。
 この公害克服の経験の中で培われた技術は市の財産となっており、アジアを中心とした途上国にも積極的に移転してきた。 現在、本市は、20世紀の我が国の産業をけん引してきた過程において蓄積された豊富な技術や人材と、公害を克服した経験を活かし「資源循環型社会のモデルとなる環境未来都市」を標榜している。
 ものづくりの個性は生かしながら、大量生産・消費型からのパラダイムの転換を図るための牽引役となっている本市の環境産業の取組「北九州エコタウン事業」について説明する。








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