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4 京都市地域プラットフォーム事業
 (1)京都市は、平成11年4月から総合的な新事業創出支援の取組である「京都市地域プラットフォーム事業」を開始した。これは、同年2月に施行された新事業創出促進法に基づき、新事業創出支援体制(地域プラットフォーム)の構築について定める「京都市における新事業創出に関する基本構想」を策定し、同法に基づく旧通商産業大臣の同意を得たもので、これは、政令指定都市では、初めてである。
 この基本構想で定めた新事業創出支援体制としては、財団法人京都高度技術研究所(京都市中京区。理事長は、堀場雅夫株式会社堀場製作所会長。京都市が基本財産の33.4%を出えんし、産業界とともに設立した。通称「A STEM」)を中核的支援機関とし、京都商工会議所、財団法人京都市中小企業支援センターなど11の法人を新事業支援機関として位置付け、大学、中核企業、経済団体、産業支援機関との連携を図ることにより、起業家や中小企業に対して適切な支援を行う総合的な新事業創出支援体制(地域プラットフォーム)を構築しているものである。この地域プラットフォームのイメージ図は、次のとおりである。
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 この地域プラットフォーム事業については、京都市が経済産業省から補助を受けている。京都市がこれまで全国に先駆けて行ってきた多様なベンチャー企業育成策に加え、この地域プラットフォーム事業の推進により、本市の新事業創出に向けた事業環境整備は、大きく加速することになった。
 (2)京都は、今まで多くのベンチャー企業を生み出してきた。堀場製作所、京セラ、オムロン、ローム、日本電産等枚挙に暇がない。しかし、これらのベンチャー企業は、その時々の行政の新産業振興策をベースに発展してきたとは言い難い。それぞれに極めて個性的で、斬新な発想と技術と優れた経営マインドを持った創業者がいわば手作りで育て上げてこられた企業群である。そして、このような京都の誇る企業群に続くベンチャー企業の出現が期待されている。こういった企業群の存在は、京都に優れた人、物、資金、情報が集まることに大いに寄与しており、単に、税収増や雇用創出といったことを超えて、いわば、都市活力の維持増進に大きく寄与しているということができる。このように考えると、やはり、行政も具体的な支援策を講じることにより、ベンチャー企業の創業を強力に支援することが不可欠である。わが国においてベンチャー企業が育ちにくい構造的な原因は、色々と指摘されているが、そのようなベンチャー企業にとっての障害を取り除くことによって、潜在しているベンチャー予備軍が現実の創業に向かうことが期待できる。
 京都市においても、様々なベンチャー育成策を実施しているが、以下では、そのうち、特徴的な次の四つの取組を紹介する。なお、京都市においては、これらの事業は、産業政策を担当する産業観光局(担当 商工部産業振興課)が所管している。
 [1]京都市ベンチャー企業目利き委員会
 [2]京都起業家学校
 [3]女性起業家セミナー「京おんな塾」
 [4]京都市ベンチャービジネスクラブ








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