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4 横浜メディアセンターについて
 横浜メディアセンターは、横浜関内地区にある遊休化している旧神奈川新聞社跡地において、地元メディアである神奈川新聞社、テレビ神奈川及び市内の中小・中堅企業を総合的に支援する横浜産業振興公社の三者が、情報、放送、通信、I T関連企業等の集積拠点を整備し、関内地区の活性化に寄与するため、共同で、「横浜メディアセンター」(以下、メディアセンターという。)を建設するものです。
 この事業の中で、三者が各々の本社機能を当センターに移転するほか、テレビ神奈川はデジタル放送化を開始し、横浜産業振興公社は、情報・IT関連企業等の誘致を図ります。また、地元メディアの一つであるFM横浜の入居を予定します。
 これらの地元メディアが連携することにより、横浜からの情報発信機能の強化が図られます。 

(1)メディアセンターの施設整備内容
[1]施設整備内容
 ア 地元メディアの集積連携拠点
新聞、テレビ、ラジオを総合したデジタル時代の情報発信拠点
 イ 今後成長が期待されているコンテンツ産業等の集積拠点
 ウ IT等の生涯学習・研究の場
[2]事業主体及び建物の所有形態
 (株)神奈川新聞社、(株)テレビ神奈川、(財)横浜産業振興公社により構成される(仮称)横浜メディアセンター建設協議会が事業主体となり、建設された共同ビルについては、区分所有する。
[3]建物概要
 ア 延べ面積:約18,000m2
 イ 容積対象面積:約16,430m2
 ウ 建築面積:約1,230m2
 エ 専有面積:約12,000m2地上13階、地下1階
[4]施設整備スケジュール
 平成13年度 基本計画・基本設計
 平成14年度 実施設計、工事着手
 平成15年度 完成
[5]概算事業費 約47.5億円 

(2)メディアセンターの位置図
 横浜市中区太田町2丁目、弁天通2丁目
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〈地区周辺図〉
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(3)メディアセンター整備の効果
 [1]テレビ、ラジオ、新聞の地元マスメディアが集積することで、各メディア間の連携、協力体制が整備され、災害情報の提供などをはじめ、多方面で情報発信機能の強化が図られます。
 [2]当事業は、平成12年5月に国に提出した関内・関外地区の中心市街地活性化法に基づく基本計画の内容に合致しており、関内地区の活性化に大いに寄与することが期待されます。
 [3]情報・IT関連企業等の集積を図ることにより、本市の推進するITを活用した地域の活性化に寄与します。
 [4]現在のテレビ神奈川放送センターが不要となるため、その跡地を含めた山下町地区を、みなとみらい21線のターミナル駅前にふさわしい形で一体的に整備することが可能になります。

(4)横浜市にとっての意義と今後の課題
 メディアセンターにおいて、情報発信のデジタル化や放送メディアの多チャンネル化に対応して、「映像」、「音声」、「文字」という3つのマスメディアの新たな連携と協力が進められることになります。
 その結果
 [1]メディアのグローバル化の先端的な取り組みによる技術の波及
 [2]コンテンツ産業の集積による都心部の業務機能の強化
 [3]世界に向けた横浜からの情報発信力の向上
などにつながっていくことが期待できます。
 最後に、本稿で紹介した横浜メディアセンターですが、この事業は具体的な事業内容について関係者の中で日々議論を積み重ねている段階にあり、そうした議論を踏まえ施設全体の設計が決まる中で、本市と地元メディア企業との協力による、「映像」関連の民間事業者、起業家の支援策が具体化してくることになります。
 このような段階にある事業ですが、あえて本稿で紹介したのは、現在策定を進めている横浜市の総合計画「ゆめはま2010プラン5か年計画(2002〜2006)」の中で、今後、横浜のめざす都市像として「世界に開かれた活力ある都市世界都市横浜」を実現を掲げており、世界から人々が集い、交流し、横浜ならではの文化・情報が発信できることを一つの目標としているからです。
 特に、今年、5月31日から待望のワールドカップサッカー大会が我が国で開催され、横浜では予選3試合の開催とともに、6月30日に横浜国際総合競技場で今大会の決勝戦が開催されます。
 また、大会の開催に先立ち、ワールドカップサッカー大会の報道の拠点となる国際メディアセンター(International Media Center 略してIMC)が設置され、大会期間中、世界各国から報道関係者が横浜に詰めかけ、「横浜発」のニュースや取材記事・番組が、IMCから世界に向け発信されます。
 横浜市では、大会終了後もワールドカップサッカー決勝戦開催都市としての知名度を活かしたシティーセールスを強力に展開し、横浜への来街者の増加や企業誘致に結びつけ、横浜経済の活性化を図っていく「創造的コンベンション都市の形成」を今後の政策目標としています。
 このメディアセンターも、そうした政策の一環の中で、位置づけ、効果の高いものとしていきたいと考えています。








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