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まえがき
 平成11年度から進められてきた、交通分野の一連の規制緩和は14年2月の路線バスを以て完結し、公共交通は基本的に需給調整のない、自由競争という環境の中で展開されることになります。
 他方、少子高齢化の進展、地球環境問題の顕在化といった外的要因により、国民のパラダイムは経済効率性から社会的公正、環境の重視へと確実にシフトしつつあります。この価値観の変化は運輸の分野にも大きな影響を与え、人にやさしく、地球にやさしい交通体系への期待はますます高まっております。
 このような新たな状況において、それぞれの地域、それぞれの交通関係事業者は、利用者、地域住民、そして経営のために何が最適な選択であるかについて、自ら考え、提案し、果敢に実施していくことが、今まで以上に重要になっていると思われます。
 九州運輸コロキアムは、大きな変化に対応し、新たな環境へ踏み出すための道しるべを探るべく、運輸に関する研究者の皆さん、事業者のみなさん、そして行政に携わるみなさんが知恵を出し合い、対話を行う場を設定させていただくものです。
 コロキアムという言葉には、討議集会あるいは共同討議という訳が当てられます。一方的な情報提供の色彩が強い講演会やセミナーとの違いを示すべく、敢えてこの語を会の名称に冠しました。本コロキアムでは、最初にお話いただく先生の報告と同様、後半の討議を重視したいと思います。ご参加の皆様から、それぞれの経験、知見に基づくご意見、ご質問を積極的に御発言いただき、参加者全員で問題意識を深め、問題解決の糸口を探る機会にしていただければ幸いです。
 
 Kyushu Transport Colloquium








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