日本財団 図書館


特集 門司貨物ターミナル駅(仮称)完成間近
地球環境にやさしい輸送体系をめざして
門司貨物拠点整備事業の概要
 現在、九州地区内においては、大規模な貨物取扱いができる拠点が福岡貨物ターミナル駅だけですが、同駅は年々増加する福岡発着の貨物に加え、中継貨物も取扱っているため貨物ターミナル駅としての容量不足を生じていることと、非効率な輸送体系になっているため、潜在需要を十分に掘り起こしきれていない状況です。
 この問題を解消するために、九州の玄関口であり鉄道の結節点である門司地区に、福岡貨物ターミナル駅に匹敵する能力を持ち、スピーディーな積み卸しができるシステムを導入したターミナル駅を整備することとなりました。
 この度、国土交通省(旧運輸省)の「幹線鉄道等活性化事業」の適用による国の補助と北九州市の補助を受けることになり、平成14年度には活況を呈する門司地区の核となることを目指してこの事業に着手し、現在工事が進んでいます。
 本事業が完成すれば、本州方面との連絡も円滑になり、輸送力の増強、スピードアップ等のサービスの向上がはかられ、また、海上コンテナの陸上フィーダーを鉄道が受け持つという海運と鉄道の連携を実現することも可能となります。
 今日、道路輸送における、地球環境問題、道路混雑、安全問題など社会的、構造的課題がいわれており、これらを解決するために幹線輸送において、トラックから鉄道や船舶へ転換を図るモーダルシフト政策が推進されています。本事業の実施は、トラックと鉄道による共同一貫輸送の拡大を図ることによりモーダルシフトの推進に大きく寄与する画期的なプロジェクトです。
 
門司貨物拠点整備事業の目的
z0053_01.jpg
期待される効果
 
[1] 門司貨物ターミナル駅にハブ機能を持たせることにより、鹿児島本線や日豊本線への効率的な輸送が可能となり、輸送時間の短縮等輸送サービスの向上が図られます。

●短縮時分(対東京の場合)
・鹿児島方面:東京〜鹿児島間で最大約8時間の短縮
・大分方面:東京〜西大分間で最大約12時間の短縮

[2] 着発線荷役(E&S方式)の導入により、列車の出発直前まで積み込みが出来、荷役時間が短縮されます。
※E&S方式とは
 Effective&Speedy Container Handling System の略でコンテナを本線上の列車から積卸しをすることをいいます。この方式によるとコンテナを荷役線まで入れなくてもよいので、構内の作業も簡略化されるとともに列車の出発直前まで積込ができます。

[3] 門司貨物ターミナル駅に効率的な配線を施すことにより駅の取扱い容量が増大し、北九州市及び近郊の潜在需要に対応できます。

[4] 第3ホームを海上コンテナ等の大型コンテナ取扱いホームとして整備を行ない、鉄道輸送と海上輸送の連携がスムーズにできるようになります。
 
z0054_01.jpg
20Fタンクコンテナ(ISO規格)をトラックに積込中
 
z0054_02.jpg
40Fコンテナ(ISO規格)を列車に積込中
 
z0054_03.jpg
門司貨物ターミナル駅(仮称)完成予想図








日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION