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第1章 調査の概要
1.調査の目的
 自動車技術の進歩に伴い、自動車の点検・整備に関わる法規制は逐次見直しが行われてきた。平成12年5月には、事業用車の1ヶ月点検の義務付け廃止や、貨物自動車の点検項目の簡素化等、トラック運送業界に関係の深い事項の改正が実施された。
 こうした点検・整備の法規制の見直しは、トラック運送事業者に対して定期点検の着実な実施はもとより、自動車の使用状況に応じた計画的な点検・整備の実施など、一層の自己管理を求めるものである。
 また、大都市部を中心とした自動車排出ガス等による窒素酸化物(NOx)や浮遊粒子状物質(SPM)等の環境影響は依然深刻な状況にある。このため、国においては自動車排出ガスの新長期規制の前倒し実施を決定し、自動車NOx法の改正を行った。さらに、大都市の自治体を中心に独自にディーゼル車対策の強化も進められている。
 本調査はこうした状況に対処するため、トラック運送事業者が車両の点検整備において重点的に取り組むべき項目を抽出、整理、検討し、グリーン経営推進マニュアルにおける点検・整備に係る評価項目とチェックリスト案としてとりまとめ、「トラック運送事業におけるグリーン経営推進委員会」に提案することを目的とする。
2.調査方針
 点検・整備は車両の安全確保と環境保全機能の維持のために行うものであるが、環境保全の観点では、「CO2の削減」と「排出ガスの浄化」がその効果として期待される。
 したがって、本分科会では、燃費の向上、黒煙(PM)、浮遊粒子状物質(SPM)、窒素酸化物(NOx)などの削減に大きく寄与する可能性が高い項目に絞って調査を行った。
3.調査項目
(1)点検整備に関する現状と課題
 トラック運送業界等での
・点検・整備の実施状況
・車両の使用状況から見た点検・整備の必要性
・点検・整備に関する体制
・点検・整備に係る法規制
・自動車排出ガスの規制に関する動向
 等について調査し、課題の抽出・整理を行うことによって、グリーン経営に向けて取り組むべき事項の絞り込みを行った。
(2)点検・整備に係るチェックリスト
 現状調査と課題を踏まえて、具体的で実効性が期待できる項目について、チェックリストをまとめた。
4.調査体制
 「トラック運送事業におけるグリーン経営推進委員会」のもとに学識経験者や関係業界団体の代表等で構成する「自動車の点検・整備検討分科会」を設置し、助言・指導を得ながら推進した。
「自動車の点検・整備検討分科会」委員名簿(敬称略)
委員長 大聖 泰弘 早稲田大学 理工学部教授
委 員 石川 純 (社)日本自動車工業会 サービス部会委員
佐伯 正司 (株)岡本モータース船堀工場取締役工場長
佐々木 均 (社)日本自動車整備振興会連合会 指導部長代理
下田 邦夫 (社)全日本トラック協会 交通・環境部長
真下 芳隆 (株)すみれ 代表取締役
池田 康二 日本通運(株) 品質管理部作業管理担当部長(〜平成13年9月)
三浦 明 日本通運(株) 作業管理部物流技術・車両専任部長(平成13年9月〜)
森田 幸雄 (有)東洋モーター整備工場 代表取締役
  (以上五十音順)
大野 裕夫 国土交通省総合政策局環境・海洋課長
細野 高弘 国土交通省自動車交通局技術安全部整備課長
四倉 清裕 国土交通省自動車交通局技術安全部環境課長(〜平成13年7月)
森崎 一彦 国土交通省自動車交通局技術安全部環境課長(平成13年7月〜)
<参考>「トラック運輸事業におけるグリーン経営推進委員会」委員名簿(敬称略)
委員長 石谷 久 東京大学工学系研究科地球システム工学専攻教授
委 員 安藤 寛男 (有)安藤興運 社長
合田 憲夫 (社)日本海事検定協会 常務理事
後藤 敏彦 環境監査研究会 代表幹事
小林 章 日本通運(株) 作業管理部品質保証・教育・安全管理専任課長
大聖 泰弘 早稲田大学理工学部教授
豊田 榮次 (社)全日本トラック協会 専務理事
根本 敏則 一橋大学商学部教授
牧野 良一 (社)東京都トラック協会 専務理事
真下 芳隆 (株)すみれ 代表取締役
矢部 浩祥 中央大学商学部教授
横山 宏 (株)日立製作所 環境本部主管技師長
  (以上五十音順)
大野 裕夫 国土交通省総合政策局環境・海洋課長
五十嵐一美 国土交通省総合政策局複合貨物流通課長
野間 清二 国土交通省自動車交通局貨物課長
四倉 清裕 国土交通省自動車交通局技術安全部環境課長(〜平成13年7月)
森崎 一彦 国土交通省自動車交通局技術安全部環境課長(平成13年7月〜)
大庭 靖雄 国土交通省政策統括官付政策調整官








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