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1. 調査概要
1.1 調査目的
 ダイオキシン類は、河川を経由、又は大気中に飛散したものが海域に到達して蓄積されていると考えられる。海域においては、河口や港湾のデータは比較的揃いつつあるものの、沖合域のデータは少ない状況である。
 灘及び湾内の底泥ダイオキシン類の既往調査は、港湾区域及びその周辺に調査地点が限られ、灘及び湾中央部に少ない状況にあり、全体の状況が未だ明らかになっていないのが現状である。また、灘及び湾中央部の水域利用を考えた場合、浚渫及び底引き網等の底泥撹乱によるダイオキシン類の周辺への影響も危惧される。
 日本の代表的な海域についてのダイオキシン類濃度の現状を把握するため、三大湾のひとつである東京湾で平成12年度に調査を行った。伊勢湾、大阪湾では、既往データが比較的揃いつつあるため、今年度の調査対象は、大阪湾に隣接し漁獲量の多い播磨灘とした。播磨灘の既往データは、沿岸域のデータが大部分を占めており灘中央部のダイオキシン類の蓄積状況が不明である。
 そこで、播磨灘におけるダイオキシン類の分布状態に関する実態把握調査を行い、その対策を検討するための基礎資料を得ることを目的とした。
1.2 調査の進め方
 調査内容、方法の決定や調査結果に対する考察などは、表−1.1に示す学識経験者及び関係者からなる「瀬戸内海(播磨灘)におけるダイオキシン類分布調査委員会」での審議によって進めた。
表−1.1 瀬戸内海(播磨灘)におけるダイオキシン類分布調査委員会名簿
(順不同・敬称略)
委員長 松尾友矩 東洋大学大学院国際地域学研究科教授
委員 井口泰泉 岡崎国立共同研究機構統合バイオサイエンスセンター教授
小倉紀雄 東京農工大学大学院農学研究科教授
細見正明 東京農工大学工学部応用化学科教授
森田昌敏 独立行政法人国立環境研究所統括研究官
岡部直己 国土交通省総合政策局環境・海洋課海洋室長
中村由行 独立行政法人港湾空港技術研究所海洋・水工部沿岸生態研究室長
事務局 土橋士郎 交通エコロジー・モビリティ財団常務理事
加藤信次 交通エコロジー・モビリティ財団交通環境対策部長
反町泰雄 交通エコロジー・モビリティ財団交通環境対策部企画課長
調査協力 小島伸一 国土環境株式会社取締役
鈴木幹夫 国土環境株式会社環境調査本部副本部長
阿部浩英 国土環境株式会社環境技術本部主査研究員
長坂洋光 国土環境株式会社環境化学グループ研究員
黒田裕之 国土環境株式会社環境技術本部








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