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V-4 試作機の評価
1 試作について
 今回試作の自己攪拌型油分散剤散布装置は、従来のK型(約70kg)に比べ大幅な軽量化に成功した。海上試験で使用されたI型の散布装置(バッグ含む)の総重量は、29.1 kgとなった。
2 性能試験について
(1)たわみ量測定試験
 片持ちの場合、III型は、I・II型と比較すると接続部での曲がりが大きく、たわみ量増という結果となった。
(2)油処理剤散布装置(試作機)性能試験
[1]全散布幅
 I・II型は2.3m時ともに測定結果が近似しているが、III型に関しては、狭い結果となっている。これは、III型散布管のノズル取付け部(T型金具)とパイプを連結した際に起こったと思われる曲がりが原因で、ノズルの吐出方向にずれが生じたため、このような結果となった。
[2]吐出量
 I型散布管の根元部大型化による吐出量の変化は見受けられなかった。
(3)S-7使用試験
 I型散布管を使用した全散布幅測定結果は、水吐出時よりもS-7吐出時の方が、狭いという結果となった。
3 海上試験
(1)油分散剤散布装置(試作機)の軽量・簡易化により、持ち運び・組立て・散布・撤収・収納という一連の作業を一人で実施することができた。
(2)散布軌道は、風による影響が大きいことを確認した。
(3)海上試験状況から油流出時を想定すると、掃海速力8kt以上では、航走波の影響で油が船体より引離され、散布管より吐出される油分散剤が効果をなさない(届かない)可能性がある。
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図V-1 散布装置I型散布管
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図V-2 散布装置II型散布管
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図V-3 散布装置III型散布管
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図V-4 試験概略図








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