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産山村子どもヘルパー(59名/代表辻井芙希/井梢)
 熊本県阿蘇郡産山村
 熊本県産山村において、小学校高学年児童全員により結成され、学校のゆとりの時間を利用して老人宅を訪問し窓拭きや話し相手になるなどの交流を深め、お年寄りの積極的な外出を促すなど、地域交流と高齢者福祉に貢献している。
(推薦者 産山村)
 
Ubuyama-mura Young Helpers
(59 persons represented by Fuki Tsujii and Kozue I)
Residents of Ubuyama-mura, Aso-gun, Kumamoto Prefecture
The Ubuyama-mura Young Helpers are a group of boys and girls from the upper grades of a primary school in Ubuyama-mura, Aso-gun. Kumamoto Prefecture. After school, the helpers regularly visit the homes of elderly persons and chat with them while offering services such as window cleaning. During their visits, they also encourage their elderly friends to go out more often. The Young Helpers promote communication and the welfare of the elderly in their community.
Recommended by Ubuyama-mura.
 
 熊本県阿蘇郡産山村は山間部にあり人口は1,829人、高齢化率は30%を超えており、高齢者世帯や一人暮らし老人の見守り等は地域ネットワーク協力員(民生委員・ボランティア等)だけでは支えきれない状況になってきている。そのような中、産山村の小学4・5・6年生の児童全員が「子どもヘルパー」として活躍している。
 平成9年から産山村では小学校の児童と一人暮らしの老人との「お手紙交流」を行っていた。2校の小学校で1学年で月に1回手紙を出す。毎週手紙が届くことで、お年寄りには励みになると同時に、郵便局員が配達に訪ねていくことで安否確認になるという仕組みである。そのような下地があったため、村の社会福祉協議会の発案による子どもヘルパーは、平成12年9月にスムーズにスタートした。2つの小学校の高学年59人が、学校の「ゆとりの時間」やクラブ活動の時間を利用して、老人宅を訪問し窓拭きや畳拭き、畑や庭の草取り、話し相手などをする。
 子どもが訪れることなどなかった一人暮らしの老人宅に小学生たちが現れるようになり、地域の隅々まで子どもの声が響きわたるようになった。「十数年ぶりに子どもが家にやってきた!」「生きる希望ができた、また来てください」と手放しで喜ぶ老人の姿に子どもたちもはりきっている。子どもたちにとっては、生きた福祉教育の機会となっている。
 またこの活動の結果、外出する機会のなかったお年よりが、訪問してくれたお礼にと小学校を訪れ、学校行事のもちつきやしめ縄作りなどにも積極的に参加し、生き生きとした姿を見せてくれるようになった。
 子どもヘルパーでかかわりを持たなければ、交流する機会はなかったに違いないお年寄りや子どもたち、ひいては地域住民も、この活動から多くのことを学び取っている。
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辻井 芙希さん
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井 梢さん
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お年寄りの家を訪ねて
学校にお年寄りが来てくれての交流
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受賞の言葉
 授賞式の際、「この受賞を下級生や地域の皆さんに教えてあげてね」と常陸宮妃殿下から優しくお言葉を頂きました。さっそく報告会をして受賞を喜び合いました。小さな村の小さな活動ですが、これからも頑張ります。








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