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盛山 シズ子(昭15.10.25生)
 沖縄県那覇市
 沖縄県那覇市において多年にわたりユイマールの心(お互いを助け合う心)の下、ハンセン病患者施設、結核療養所、老人ホームでの理容奉仕活動に尽力し、地域の高齢者福祉の向上に貢献された。
(推薦者 友寄 直儀/神谷 幸枝)
 
Shizuko Moriyama
(Born on October 25,1940)
Resident of Naha City. Okinawa Prefecture Infused with the spirit of "Yuimahru" (mutual-aid or cooperation) of Okinawa, Ms. Moriyama started "Keihatsuno Kai" (The Respectful Haircut Club) together with a group of like-minded barbers in Naha City. For many years, the members of Keihatsuno Kai have traveled to facilities for patients with Hansen's disease, sanatoriums for patients with tuberculosis, and nursing homes for the elderly to cut hair. Moriyama has contributed immeasurably to improved social welfare for the elderly in her community.
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 盛山さんの奉仕活動は、昭和40年に沖縄刑務所を訪問し、無料でカットを行ったことから始まる。47年には沖縄県北部にある、ハンセン病患者施設と結核療養所を時々訪ねるなど、当時は訪れる人も少なかった施設へ積極的に出向いた。盛山さんには4人の子供がおり、子育てをしながらの理容室の経営とスタッフの指導は大変な毎日だったと思われる。そのような状況の中でも、盛山さんには自分のできることを社会に還元していきたいという思いが強く、施設の患者さんに、涙を浮かべて「ありがとう」と手を握られたり、嬉しそうな笑顔を見たりすることが、奉仕活動の道標となっていた。51年には活動拠点を那覇に置き、老人ホーム厚生園へ毎月1回スタッフを伴って奉仕活動を継続していった。心と心が通い合えば、肉体的疲労も喜びに変わると、よく口にしていたと当時のスタッフは言う。
 昭和54年に老人ホーム大名が開所して以降は、5〜6人のスタッフで奉仕活動をスタートさせたが、入所者が年々増えていくにつれて、個人の力では限度があり困難になってきた。そこで盛山さんは沖縄のユイマールの精神(お互い助け合う心)で奉仕活動を行うことを友人・知人に呼びかけ、趣旨を理解してもらうために毎日のように歩き回った。同業者からは、余計なことをしてくれるな、とお叱りを受け、一方ではがんばれと励まされ、やっとの思いで15名のメンバーの参加協力を得ることができた。平成3年に有志15名で「啓髪の会」を発足させ、現在会員数も40名と発展した。活動先も拡大し、年間800〜900名のお年寄りに喜ばれている。
 啓髪の会会長を後進に譲った今も、盛山さんはすべての人が幸せに年を重ねて老いを迎えられるように社会に貢献する気持ちを持ち続け、会の相談役として若い人達にボランティアのすばらしさを伝え、沖縄のユイマールの心で活動を継続していけるよう努力している。
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老人ホームでの活動風景
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受賞の言葉
 社会活動を通じて学び、生かされたことに対し、人生の折り返し地点で受賞を機に、今日までご指導、ご協力下さった皆様に感謝すると共に無理せず、背伸びせず、多くの友人と助け合いながら継続していきたいと思っております。








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