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序文
1、本事業計画は、1981年国連の提唱で国際障害者年(IYDP)がスタートした翌年の1982年に日本喉摘者団体連合会と社団法人銀鈴会が共催で第3回喉頭摘出者世界大会を東京で開催し、この大会において喉摘者の現状改善に関する決議、宣言を満場一致で採択し、国連はじめ世界各国に発表した。
2、この宣言文の主旨実現のため、1983年ウィーンのIYDP本部に出頭し、世界喉摘者の55%を占めるアジア圏の喉摘者のリハビリテーション促進を提案し援助を求め了解を得た。
3、1984年、IYDP本部の意を受け、喉頭摘出者団体アジア連盟(アジアの主要11ヶ国・地域、マレーシア、日本、中国、ホンコン、インド、インドネシア、大韓民国、パキスタン、フィリピン、タイワン、タイ、が参加し、本部を東京におく)を創設した。
4、第1次5ヶ年計画として、1990年までにアジア各国から交互に研修生90名を東京にある社団法人銀鈴会発声教室へ招き、それぞれに発声指導訓練を施し、発声能力、指導要領を身につけさせ指導員として養成し、帰国後、自国喉摘者のリハビリテーションに当らせ、順次アジア全域の喉摘者の社会復帰、促進を目指すこととした。
5、第1次5ヶ年計画の成果を評価し、第2次5カ年経過の実施を確認するため1990年、アジア連盟東京大会を品川のホテルパシフィックで開催した。
6、第2次および第3次5ヶ年計画は、アジア連盟の成長期と位置づけ、前期までに蓄えた力を総合的に助長すると共に、積極手段として従来の招致研修に加え海外に指導員を派遣する方法を併せ実施した。
7、1999年度は第3次5ヶ年計画の最終年に該当する。
8、過去15年間に、喉頭摘出者団体は12ヶ国・地域に設立された。これらの団体は招致研修および派遣研修の実施にあたり、大きな推進力となった。
9、招致研修は15年間に、13ヶ国・地域(創設時の11ヶ国・地域にネパールおよびシンガポールが加わった)192名に達し各国喉頭摘出者団体の設立およびリハビリテーション実施の中心的存在として活躍した。
10、派遣研修も12ヶ国・地域すべてに及び、派遣人員数は延べ128名に達した。
11、1996年〜1999年の4年間に405名の喉頭摘出者が、本事業による研修を受講し、過去15年間の累計は1,437名に達した。指導技術を習得した彼等は既に現地活動を開始している。
12、1991年アジア連盟福祉基金5億円を設定して、活動の経済基盤を強化すべく募金活動を推進してきたが、不況の影響が甚大で、実績は2億1, 000万円にとどまっている。所期の目標を達成するために一層の努力を傾注したい。
13、第3回喉頭摘出者世界大会で喉摘者の現状改善に関する宣言文を採択して、既に15年経過した、この間の活動と成果を評価し、長期計画のひとつの区切りとしたい。
このための評価会を2001年5月12日(土)北京において開催し、実り多い成果を確認した








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