日本財団 図書館


母子保健推進員の仕事と役割
 
母子保健推進員制度
 安心して妊娠・出産・育児ができるよう、保健所や市町村の母子保健事業に積極的に協力し、保健所や市町村が行う各種サービスを妊婦や赤ちゃんを持つ母親などの対象者に紹介するなど、行政とのパイプ役として、また身近な相談者としての役割を担うボランティアを全国各地に配置しようというのが、母子保健推進員制度です。
 
身分
 母子保健推進員は、市町村長が母子保健に熱意を持っている人や家庭に入っている保健婦、助産婦、看護婦など資格を持っている人等、地域の母子保健向上に熱心に取り組んで頂ける人を選んで市町村長が委嘱します。
 
活動
 母子保健推進員の主な仕事は、以下のようなものです。
1 地域や家庭で起っている母性や乳幼児の保健に関する様々な問題の把握
2 妊娠の届出など母子保健に関する各種の手続きをしていない人に対するサポート
3 健康診査の未受診者に対する受診の勧奨
4 各種母子保健施策の紹介
5 保健所や市町村の保健婦との連携による家庭訪問
6 子育て支援の自主的な活動
 
役割
 母子保健推進員は地域の中での身近な相談役として、自身の妊娠や子育て経験を通じての助言や、心理的なサポートを行うことも大切です。そのためには、
1 地域の人々に信頼される良い相談相手になるよう心掛ける
2 受け持ち地域の世帯の状況を正しく把握する
3 常に新しい保健衛生知識を得るよう努力する
4 地域の担当保健婦との密接な連携を取り、適切な指導と助言を求める
5 訪問等を通じて妊婦や子を持つ親の身近な相談相手としての継続的サポートを行う
6 親の子どもへの接し方などを把握し適切な助言をする
7 問題があると思われる場合は状況を保健婦に連絡する
 といった役割を持ちます。
 活動を通じて知り得た個人や家庭の事情は絶対に口外してはなりません。
 このような活動が最近大きな問題となっている「虐待」の予防と早期発見につながります。
母子保健推進員の心構え
 
家庭訪問
 
1 お母さんの話をよく聞く
 お母さんの話を聞き、相手の気持ちを受け止めることが大切です。わかってもらえたと思う気持ちが信頼関係を作ります。指示するような話し方は慎みましょう。
 
2 母子保健サービスの情報提供と子育て経験からのアドバイス
 母子保健サービスの情報が受け持ちの家庭に行き届くように、情報提供をします。
 また身近な子育ての相談役として、自身の子育て経験からのさまざまな体験を「私もこんな経験があったのですよ…」といった形でおしつけるのではなく助言として話し、心理的な支援をすることも大切な役割です。
 
3 親と子の心の健康への支援
(子どもの虐待予防と早期発見につながります)
 子育てにはさまざまなストレスがかかります。特に核家族の家庭ではだれにも相談できないため、一人で悩んでしまうことが多くあります。そのような時にはちょっとした声かけで励まされることも少なくありません。お母さんがゆとりをもって子育てし、しあわせと感じてもらうことが親と子の心の健康につながります。しかし、親子関係が虐待を疑うような状況になっている時には、些細なことをも見逃さず担当保健婦などに相談して対応しましょう。
 
4 保健婦への連絡
 相談を受けた場合や、ちょっと気になる家族に出会った場合は、保健婦に相談しながらサポートしましょう。必要に応じて関係者とネットワークを組み、役割を確認しながら支援をするようなこともあります。
 保健婦や関係機関への連絡・報告などの時以外には、知り得た情報は決して口外してはなりません。連絡の方法は、各市町村で作成している「連絡票」を活用したり、早期に対応が必要な場合はすぐに電話などで伝えることも必要です。
z0001_03.jpg








日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION