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安全運航のために
観天望気で お天気博士
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 観展望気とは、辞書には「風や雲から天気を予測すること。天文から天気を予測するのが観天、空模様や色合いから天気を知るのが望気」と書いてあります。安全運航には気象情報の収集が第一ですが、大自然からのメッセージを目や体で感知する努力をして役立てて下さい。
 特にプレジャーボートなど小型船舶の避難の遅れは命取りになります。現場海上において、手軽に早く天候の急変を察知して早めに避難することが望まれます。
 
 「観天望気」の一部を紹介します。
 ○入道雲(積乱雲)が出たら、特に頂上のカナトコ状(魚の尾、朝顔状)のものが発達していたら、雷雨、突風がくる。
 ○高さを違えて種類の違う雲が層状になっている時は天気が崩れることが多い。
 ○「日かさ」「月かさ」は、直ぐにではないが、天候が崩れることが多い。
 ○雲の東から西方への急走、上層の雲と下層の雲の動きが逆、西空のレンズ雲は、天候の崩れ、強風の恐れあり。
 ○にわか雨の後は、突風が吹くことが多い。
 ○西の空に虹が見えたら、間もなく突風が吹く恐れがある。
 ○「朝焼け」は、天候の崩れる前兆。
 ○山など遠くの景色が近くに見えてくると、雨が近い。
 ○「たて返し」(沖から岸に吹く強い風)が「なぎる」と、吹き返しの強風に注意。
 ○南東の風強く雨を交える時は、時化になる。
Safety Best 命を守る 救命衣
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 皆さんは、毎年船舶からの海中転落事故で何人の命が失われているかご存知ですか。
 毎年百数十名もの尊い命が失われているのです。
 この中には救命胴衣類(後述の法定のものでない「救命衣」を含む)を着用してさえいれば助かった可能性のあるものが相当な数を占めているものと思われます。
 また救命胴衣類を着用していれば、残念ながら死亡に至っても遺体の早期発見に繋がり、漁業協同組合を挙げて、またクラブ仲間などによる長期の捜索を必要とせず、また家族にとってもお気の毒ですが気持ちの整理が付くことにもなりましょう。
 某漁業協同組合における最近の例で、一方の事故では救命衣を着用していなかったため(救命衣は船の隅に格納)未だに遺体が上がらず、もう一方の事故では救命衣を着用していたため、遺体でしたが翌日発見された事例があります。
1 プレジャーボート等での常時着用
 プレジャーボート等については、救命胴衣を搭載していながら常時着用している人は少ないようですが、海中転落や突然の転覆の危険性もあるので、海に出たら必ず着用するようにしましよう。
2 漁船での常時着用
 海中転落、死亡・行方不明者数No.1は漁船です。法定の浮力(7.5kg以上)よりレベルを下げ浮力6.5kgとした作業性のよい、通気性の優れた「救命衣」があります。カッパ、長靴着用での飛び込み実験等を重ね、海中転落しても十分な浮力を保てる実証が得られています。
(資料提供/日本海難防止協会)








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