日本財団 図書館


第1分科会 
「家族会とともに」−富来町における精神障害者へのとりくみ−
石川県富来町保健福祉課
課長 三田 俊雄
 
 私は行政の立場から、これからの家族会との連携についてお話をいたしたいと思います。当町では平成5年6月に県下で7番目、能登地区では初めての、「すみれ作業所」が、家族会の皆さんの大変な熱意によりまして開所いたしました。当時、私も事務方として業務に携わり、作業所開所記念フォーラムにも参加させていただきました。以後地域の住民の方々の暖かいご理解とご協力により、アルミ缶のプレスや、自動車関連産業の部品の内職の仕事を行っております。作業所の定員は15名で、常時10名程度の方が通所しております。現在では町内の自動車部品製造業へ3名、シルバー人材センターの補助員として、不燃物処理業務で2名の方が社会復帰を行い、頑張って仕事についております。以前は常勤の指導員は1名でしたが、平成12年度約300万円をかけて作業所の増改築を行い、それから常勤指導員を2名にして、非常勤指導員1名と併せて3名体制で、メンバーと一緒に仕事を行っています。
 また、精神障害者を支えるボランティア団体の「あしたばの会」は平成8年に結成され、現在では会員30名で月1回の定例会を開催し、すみれ作業所の運営にご協力をいただいております。あしたばの会では、メンバーが作業所で作った民芸品や手芸品の展示即売や、各種イベントヘの積極的な参加により、地域住民が精神障害者への理解を深めるために尽力していただいております。今後、益々過疎化や少子高齢化に伴い、家族会の高齢化、メンバー自身の高齢化により、精神障害者の在宅での一人暮らし世帯が増加するように思われます。当町といたしましては、平成14年度より精神障害の事務が市町村に委譲されるに伴いまして、12年度より精神障害者ホームヘルプサービス事業をモデル的に実施し、町社協のホームヘルパーと町保健婦が同行訪問し、精神障害者の在宅でのケアに努めているところであります。この事業につきましては13年度も実施し、精神障害者の家族の方々の負担の軽減と福祉の向上を図っています。私は、常に家族会と連携を密にし、各種行事や研修会、並びに講演会等には以前より多く積極的に参加し、情報の収集や研鑽を重ねなければならないと思っています。また、作業所開設当時より家族会の方々やメンバーの方々とはより連携を共にし、今では少なくとも月2回程度は作業所へ足を運び、メンバーとの情報交換を行い親睦を図っているところであります。
 それから、作業所開所記念フォーラムのとき、金沢大学名誉教授の秋元波留夫先生が講演の中で、富来町の今後の課題といたしましては、医療機関、スタッフの理解と援助が必要だと言っておられました。精神病の人たちの多くは、病気と障害を併せ持っており、ほとんどは精神科医の治療を受け、服薬している人たちです。町立富来病院が平成10年8月改築オープンしたときに精神科が設置されるまでは、近くに医療機関がないため、七尾か金沢へ1日がかりで出かけなければならなかったのです。作業所開所記念フォーラムから5年、町執行部の理解と家族会の熱意により、町立富来病院に精神科が設置され、現在金沢医科大学病院より中川東夫先生に毎月第一、第三の金曜日に診療を行っていただいております。あのときの記念フォーラムが、今から思えば大変意義深いものであったと思われます。改めて秋元先生の偉大さを痛感いたしました。
 今後、やはり行政といたしまして、通所者のメンバーの増員を推進し、併せて法人化に向けた協力体制の確保を行い、障害者が少しでも社会復帰でき、また、幾ばくかでも収入面で手助けができればよいと思っています。
 
 
−話題提供−
家族会と市町村−これからはこんな連携を−〜夢をもち、わかちあおう〜
新潟県五泉市役所 保健婦 目黒 節子
1.家族会の設立
 同じ悩みを持つ家族の集いを開こうと行政より家族に働きかける。
集いで他町の家族会長の講話を聞き、家族会設立にむけて気持ちが一つになる。
昭和51年7月5日家族会「やまびこ会」の設立。(当時会員数25名)
2.家族会と行政とのかかわり
・事務局を行政が担当
・会としての活動により市全体の精神保健福祉が向上した。
 医療費助成制度や通所費助成制度の新設
 通所作業所や授産施設の設立→医療費の減少
 地域の精神保健福祉に対する理解が深まる
・市長、課長との懇談会(年2回)
・新制度に向けてのニーズ把握
・会員の増大と魅力ある家族会運営
3.家族会「やまびこ会」の活動
* 今自分達のできることは何かを考える
* 会員も癒される家族会活動を
《平成12年度実績》
・家族教室 4回
・研修旅行 1回
・会報発行 4回
・理事会 4回
・総会、新年会 2回
・作業所運営委員会 2回
・県等の研修会出席 13回
・作業所バザーへの協力
4.今後の活動
・市の精神保健福祉活動のネットワークの柱の一つ
・高齢化や参加人数を気にせず自分達が楽しく元気になろう。
・行政に頼るだけではなく、自分達の役割を考えよう。
・社会資源となれるような活動を
<五泉市精神保健福祉ネットワーク>
“障害をもっていてもその人らしく生活できる五泉市”をめざして咲かせよう虹の花
z0035_01.jpg
−話題提供−
平成13年度北信越ブロック研修会分科会 発言要旨
長野県 松川町精神障害者家族会 島崎 多賀子
家族会と市町村の連携を考える
 家族会の活動を進めていくときに一番重要なことは、精神障害者に対する根強い偏見をどう取り除くかである。その学習をすすめながら家族会の活動を地域の住民に理解してもらうことを進めなければならない。松川町家族会が試行錯誤しつつそのことをどのように進めてきたかについて2つの視点で発表したい。

1 偏見を取り除く学習の展開をどう進めたか
(1)家族会の活動を住民集会で発表
(2)共同住居の建設を地元地域に要請して反対される
(3)家族会として活動を進める為にどうすべきか原点に戻って考える
(4)保健婦との連携で地域での学習会を企画する
(5)学習会を続けることで出てきた住民からの反応

2 通所授産施設に向けての活動の展開
(1)町の当事者の実態把握をアンケート調査して家族会として取り組むべき方向を確認
(2)保健婦から国、県の動きについての情報を得つつ具体的な取り組みについて研究
(3)理事者、議会社会委員会と当事者も交えて活動に理解を求める学習
(4)町社会委員会から北部ブロック町村に通所授産施設についての問題提起がなされる
(5)北部ブロック家族会が発足し通所授産に向けて具体的な活動が始まる








日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION