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「ディーゼル付きSR21を開発へ」  和泉 久
 
 軽飛行機にディーゼル・エンジンを搭載する、という計画が進んでいる。ディーゼル・エンジンというと、トラックやバスのエンジンを思い浮かべ、重量は重いし、パワーのレスポンスが悪く、値段も高いといったイメージがあると思う。
 ところが、今は状況が違ってきている。ドイツのフリードリッヒスハーフエンで開催されたエアロ会場にて四月二十六日、シリウス・デザインとSMAは共同で、シリウスSR22軽飛行機にSMAが開発したターボディーゼル・エンジンを搭載するモデルを開発、来年から納入を開始すると発表した。
 シリウスSR22は前作のSR20のエンジン強化モデルで、昨年十一月末にFAAの型式証明を取得、今年二月から納入を開始している。このSR22にはテレダイン・コンチネンタルのI O550エンジン(三百十馬力)が搭載されているが、これをSMAのSR305ターボディーゼル(二百三十馬力)に載せ換え、主に欧州市場で販売する計画だ。
 SR305を搭載した機体はSR21td・1と名付けられ、一万二千フィート以上で巡航速度が百七十ノットまで出せ、SR22よりも優れている。さらに、キャビンの騒音が少なく、燃料消費量の少ないのが特長になっている。なお、このエンジンには、価格の安価なジェットA1燃料が利用できるので、燃料消費量の低減と相まって、燃料コストは約四〇%も少ないという。
 このほか、電子統合エンジン・コントロール・システムでエンジンを調整しているので、パイロットは出力レバーだけでエンジン操作を行え、エンジン・オーバーホール間隔は三千時間と長い。
 なお、SMAは九七年一月にアエロスパシアルとルノー・グループが共同で設立した企業。その後、フランスの大手エンジンメーカーであるスネクマも加わっている。SR305エンシンは、既にTB20トリニダードとセスナー182に搭載され、テストが続けられている。
 SR20シリーズは複合材を多用した新設計の低翼四座席機で、既に六百五十機以上の注文を得ており、うち百五十機以上を納入している。SR 20の機体価格は米国渡しで二十万ドル弱、SR 22で二十七万六千六百ドルとなっている。
GA機販売が伸び悩み
 米国ジェネラル・アピェーション機協会(GA MA)は四月二十六日、今年第1四半期の北米G A機販売状況を発表、米国の景気低迷を受けてG A機の販売数量にも影響が出始めている。
 ビジネス・ジェット機の出荷機数は百四十六機と昨年同期の百三十六機よりも七・四%増加したものの、ピストン機は三百四十六機(昨年の第1四半期は三百九十九機、一三・三%減)、ターボプロップ機は七十六機(同七十八機、二・六%減)となり、合計機数では五百六十八機(同六百十三機、七・三%減)と減少した。
 ただし、価格の高いビジネス・ジェット機の販売が伸びたため、トータルの販売価格は二十一億千七百万ドルで、対前年度比で二・二%伸び、第1四半期としては新記録となった。
 最も販売機数が多かったのは、セスナ一七二Sの八十二機。昨年第2四半期からは九十機以上を製造していたので、一〇%以上の減小となる。また、セスナ・レシプロ単発機の合計は百五十七機(昨年第1四半期は百八十四機、一四・七%減)となったが、売上の方は一一・四%の増加だった。
 また、売上ではレイセオンが前年同期比で三〇・六%減、ニューパイパーは逆に六四・五%の大幅増加となり、メーカー間での格差が拡大する傾向にあるようだ。
 全体的には、米国経済の低迷を受けて、個人購入が多いピストン機などが減少し始めており、それが第1四半期の納入機数に影響したものと想像できる。








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