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2.3 測量船の高さ精度の検証のためのデータ収集及び解析
 測量船の高さを測量すると同時に観測海域の実水深を決定するためには、測量船の高さの測定が利用可能な精度を常に発揮できることが必要である。そのため、以下のデータを収集、解析し、測量船の高さ精度の検証を実施した。
 
1.海底設置型験潮器による験潮データ
2.測量海域近傍の験潮所データ
3.K-GPSによる測量船の高さ測量結果
4.マルチビーム測深機による水深測量結果
2.3.1 検証用験潮器による潮汐観測
 
 KGPSによる測量船の高さ測量の精度を確認するため、水圧式の海底設置型験潮器による潮汐観測を実施した。観測結果は、調和解析し、基本水準面、平均水面等を規定に従い算出した。
(1)現地観測
 
 観測海域は、測量船の高さ測量を実施する実験海域近傍の、瀬戸内海広島湾柱島南方である。観測期間は、平成13年10月9日より11月9日の32日間とした。
表9に験潮器設置概要を示す。また、図25に験潮器設置海域を示す。
 
表9. 験潮器設置概要
海域名 広島湾柱島南方
設置位置 緯度:北緯33度58.53分
経度:東経132度24.27分
設置点水深 約18m
設置点水温 設置時:23.49℃ 回収時:20.50℃
気温 設置時:23.53℃ 回収時:16.35℃
概略位置説明 柱島南方約4マイル
測定期間 自:平成13年10月9日
至:平成13年11月9日
使用機器 AANDERAA社製WLR7型水位計(内蔵記録式水位計)
測定間隔 10分
気圧補正 気象庁海面気圧データをもとに補正
 
(拡大画面: 265 KB)
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図25. 験潮器設置海域
 
 今回の測量に使用した験潮器は、昨年使用したものと同じAANDERAA社製WLR 7型水位計である。AANDERAA社製WLR7型水位計の概要を表10に示す。
 
表10. AANDERAA社製WLR7型水位計の概要
本体 重量 空中13.7kg、水中9.2kg
形状
寸法
510mm(高)×128mm(直径)
材質 Cu Ni Si 合金(OSNISIL)
記録
媒体
DSU(data store unit)
記録
方式
コード
記録量 1データにつき10ビットバイナリワード(水圧値は2ワードで記録)
記憶
容量
65530ワード(10分インターバルで約110日)
設置架台 形状
寸法
750mm(縦)×750mm(横)×500mm(高)
重量 約60kg
 








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