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第3章 まとめと今後の課題
3.1まとめ
3.1.1 基図情報の充実と整備により、必要な障害物情報、等深線、表示尺度に応じた地名、航路標識名及び属性情報の一部の表示が可能とした他ユーザーが指定した各種の情報を入力記憶できるようにしたためユーザーの信頼性をより高めることができた。
 
3.1.2 電子海図(Electronic Navigational Chart:ENC)と最新の電子水路通報(Ecdis Revision information application profile:ER)とから最新維持が行えるソフトウエアの開発、作成により航海用電子参考図(Electronics Reference Chart:ERC),PC用航海参考図(Personal Electronics Chart:PEC)の基図情報を絶えず更新できるツールが完成した。
 
3.1.3 PECについては東京湾〜瀬戸内海に至る5対象海域の試作版が完成し、それぞれの海域についての海上実証実験により、諸機能及び表示精度を確認した。実験中発見された不具合箇所は、対応処置により修復し当初の仕様を満足させた。
 又、航海支援情報の重畳表示機能によりPECの基図に対して必要な情報が表示利用できることを確認した。この点、適応した技術的手段・方法の採用によりENC,ERCについても応用が可能である。
 
3.1.4 航海支援情報データファイルの充実・整備は、既存の「電子潮汐情報」の改善に寄与し、新たに「電子潮見表」として潮汐のみならず、潮流、日月出没時、月齢、潮名を含む極めて利便性のある製品開発に貢献した。
3.2今後の課題
3.2.1 本調査研究の成果であるPEC試作版の公開と試用を重ねて一層機能の充実、支援情報の追加等についても要望等を取りまとめ、より実用的な製品開発の機会に生かしたい。
 
3.2.2 調査研究を通じて貴重な試作開発の経験を積み、技術的知識を吸収、蓄積でき今後他の新しい事例が生じたときにも迅速、的確な対応が可能であると考えられる。








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