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ハンセン病とは…
●ハンセン病は、遺伝病ではありません。
●伝染力の極めて弱い病原菌
 −らい菌(Mycobacterium Leprae)による慢性の感染症です。
●乳幼児のときの感染以外はほとんど発病の危険性はありません。
●菌は多剤併用療法により数日で伝染性を失い、軽快した患者と接触しても感染することはありません。
●不治の病気ではなく、結核と同じように治癒する病気です。
●治癒したあとに残る変化は単なる後遺症にすぎません。それも大半は予防できます。
●早期発見と適切な治療が患者にとっても公衆衛生上からも重要です。
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徴候
ハンセン病の症状は、主として皮膚および神経に現れます。治療しない場合、皮膚、神経、四肢および目への障害を引き起こします。
■ハンセン病の斑紋
 色素が脱失した白っぽいものと、赤色や赤褐色の紅斑があります。平らなものも、隆起したものもあります。かゆみが全くないのが特色です。たいていは痛みもありません。知覚が麻痺していて、温覚、痛覚、触覚がありません。身体のどこにでも現れます。
 身体に現れたハンセン病のものと思われる斑紋を、羽根やペンなどで触れ、知覚の有無を確認し、診断します。
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 ハンセン病と診断された場合、各地域の保健所・診療所で新患者として登録され、登録後はMDT(多剤併用療法)による治療が終了するまで、保健所・診療所員やボランティアによって定期的に薬剤が配布されます。症状によって必要なフォローアップとサービスが受けられます。(日本では1996年にらい予防法が廃止となり、医師が届け出る義務はなくなりました)
■ハンセン病の種類
 ハンセン病は大きく、2種類に分けられます。

PB(Paucibacillary=少菌性)は、
1〜5つの知覚麻痺の皮膚斑紋のあるケース
       ただし神経肥厚がある場合には1つのみ
(以前の神経らい、または結核様らい)

MB(Multibacillary=多菌性)は、
5つを超える知覚麻痺の皮膚斑紋があるケース
       又は神経肥厚が2つ以上あるケース
(以前の結節らい、らい腫らい)








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