日本財団 図書館


第6章 リサイクルシステム代替案の検討・構築 (食用廃油と剪定枝)
 本章では、第5章で提示したリサイクルシステム代替案を評価するための評価軸を定め、松山市の地域特性に適合したリサイクルシステムを構築する。
1 代替案の評価軸
評価軸1 多くの市民の参加が可能で、量的な効果が得られるシステム
 
 「えひめ循環型社会推進計画」で定めた平成16年度の目標リサイクル率を達成するためには、これまで以上に資源化量を増やしてリサイクル率を向上させる必要がある。収集した資源を再生して有効に利用することで、限りある資源を保全し、処理によって生じる環境負荷を低減することが可能になる。
 松山市の目指すシステムは、多くの市民の参加が可能で、量的な効果が得られるシステムとする。
 
評価軸2 PR・啓発効果があり、市民の環境意識を醸成できるシステム
 
 食用廃油や剪定枝をリサイクルすることの意味は、単に限りある資源を保全し、環境負荷を低減するだけではない。リサイクルに参加した市民の環境への意識を醸成することで、個々人の生活状況に応じた「環境にやさしいライフスタイル」を考えるきっかけになるであろう。このことが大きな意味での循環型社会の確立につながっていく。特に、子供たちの環境に対する意識を高めることによって、将来、大きな成果としてあらわれることが期待できる。
 松山市の目指すシステムは、環境教育や環境学習に活用でき、市民が環境に対する関心を高められるシステムとする。
 
評価軸3 「地球にやさしい日本一のまち」をアピールできるシステム
 
 松山市は、市のビジョンの中で、「地球にやさしい日本一のまち[環境日本一]」を目標に掲げている。松山市では、全国の自治体に先駆けて資源分別収集に取り組んできたが、善通寺市や沼津市のように、「○○市方式」という形では全国的に知られていない。松山市が独自のリサイクルシステムを構築し、全国的な関心が高まることにより、市民の間に環境先進市に住んでいるという意識が芽生えることが期待できる。
 松山市の目指すシステムは、独自性を持ち、「地球にやさしい日本一のまち」をアピールできるシステムとする。
 
評価軸4 様々な市民が様々な形で参加できる多様性のあるシステム
 
 市民のライフスタイルは多様であり、すべての人が参加できるようなリサイクルシステムを構築することは難しい。しかし、できるだけ多くの市民の参加を得ることによって、限りある資源の保全、環境負荷の低減、市民の意識啓発に結びつくことになる。ひとつの代替案にこだわらずに、複数の代替案を組み合わせて、多様な市民が参加できるシステムとすることで、多くの市民の参加が期待できる。
 松山市の目指すシステムは、様々な市民が様々な形で参加できる多様性のあるシステムとする。








日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION