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(2) ごみ処理・リサイクル
 
[1] えひめ循環型社会推進計画の実現
 松山市の平成11年度のリサイクル率は15.1%であり、愛媛県及び全国平均を大幅に上回っている。しかし、「えひめ循環型社会推進計画」による愛媛県の平成16年度の目標リサイクル率は18.4%であり、これを達成するためのさらなる努力が必要である。また、排出量減量目標や最終処分量目標を定めているが、松山市の人口は愛媛県の約1/3を占めることから、目標達成に対する松山市の位置づけは重要である。
 
[2] リサイクルの歴史
 全国的にみると、最近10年間程度の間に資源分別回収を開始した自治体が多い中で、松山市では、昭和39年からガラスと鉄くずの拠点回収、昭和46年からはステーション方式による資源分別収集に取り組んでいる。また、平成9年度には現状の7種分別に変更することで、分別収集量の増加を果たしている。このように、松山市には古くからリサイクルに取り組んできた歴史があることから、リサイクルの考え方は市民の間に定着していると考えられる。
 
[3] 分別区分
 平成9年度から7種分別を実施しており、どの地区もごみ出しの日が週4回になるように設定されている。新たな品目の分別収集に取り組む際には、既存の分別収集と収集日が重ならないよう配慮が必要である。
 
[4] 収集車両
 ごみの収集車両は、可燃ごみ、金属・ガラス類、プラスチック類、粗大ごみなどは主にパッカー車で、紙類は主にダンプ車で収集されている。新たな品目の分別収集に取り組む際には、その品目に適した車両導入する必要があるが、既存の機材の活用という観点からも検討が必要である。
 
[5] 処理施設
 松山市のごみは南クリーンセンター、西クリーンセンターで焼却・破砕され、横谷廃棄物処理センターで埋め立てられている。現在、食用廃油及び剪定枝をリサイクルするような施設は保有していないため、処理施設を市の直営で確保する際には、建設用地等について考慮する必要がある。
 
[6] ごみ処理経費
 平成11年度のごみ処理費用は約61億円で、ごみ1トン当たり26,556円、人口当たり12,875円、世帯当たり31,949円に相当する。財政状況が厳しい中で、新たなリサイクルシステムを構築する際には、量的な効果やPR啓発効果と合わせて、経済的な面についても考慮する必要がある。
 
[7] 食用廃油及び剪定枝のリサイクルヘの取り組み
 松山市内には、松山消費者四つ葉グループのように、廃油石けんづくりを指導している団体がある。これらの団体と有機的に連携することで、高いPR・啓発効果が期待できる。また、(有)帝松サービスのように、輸入米松の皮(バーク)を使ってバーク堆肥を製造しているメーカーもある。リサイクルシステムを構築する際には、市内にある民間活力を生かしていく必要がある。
 
[8] 庁内の横断的な取り組み・広域的な連携
 松山市では、市のビジョンの中で「日本一のまちづくり」を掲げており、「地球にやさしい日本一のまち[環境日本一]」を目指している。本事業は、松山市の目指す方向の一環であることから、単にごみ処理・リサイクル担当部署の事業ではなく、全庁をあげた横断的な取り組みとして位置づける必要がある。
 また、松山市は地域の中核都市であることから、地域全体の環境負荷を低減するためには周辺市町村との広域的な連携を考慮する必要がある。
 
[9] 環境教育・啓発
 循環型社会を構築していくためには、市民・事業者・行政が各々の責任を分担し有機的に連携していく必要がある。特に、国が循環型社会形成推進基本法の中で最優先に位置づけている発生抑制を進めていくためには市民のライフスタイルの転換を促進することが不可欠である。そのためには、様々な機会を捉えて、市民へのPR・啓発活動や子供たちへの環境教育などを充実する必要がある。








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