日本財団 図書館


3 松山市におけるリサイクルの取り組みと課題
(1) 松山市の取り組み状況
 松山市では、昭和39年にガラスと鉄くずの拠点回収(街々にドラム缶を設置して回収)を、昭和46年からはステーション方式による資源分別収集を開始している。資源分別収集を実施している自治体は当時ではほとんどなく、松山市の取り組みは全国に先駆けたものであった。その後、昭和51年には、プラスチック製品、段ボール、新聞紙等の収集も開始し、平成9年より金物・ガラス類、プラスチック類、紙類の3分別に変更している。特に、容器包装リサイクル法の施行にともなってプラスチック類のリサイクルを実施する自治体が増加しつつあるが、松山市では、全国に先駆けてプラスチックのリサイクルに取り組んでいることが注目される。このような早い段階からの取り組みの結果、資源分別収集が市民の間にも定着しており、市民の環境やごみ問題に対する意識の向上に影響しているもとの考えられる。
 一方で、ハード面でも松山市では先進的な施設を導入している。松山市南クリーンセンターは、平成6年3月に竣工した焼却施設であり、最新鋭の公害防止設備と発電設備を備えている。また、この施設には、当時ではまだ導入事例の少なかった焼却灰を溶融してスラグ化するプラズマ溶融施設を併設している。これによって、排ガスによる環境負荷を最小限にとどめるとともに、焼却エネルギーの有効利用や焼却灰の溶融による埋立処分量の最小化に努めている。平成14年度からは、溶融スラグの再利用を行う予定である。
 また、平成21年度には西クリーンセンターの建て替えを予定している。この施設は松山市のごみだけではなく、周辺14市町村のごみを焼却することが予定されており、これによって、周辺自治体を含めた広域的な環境負荷の低減やエネルギー利用などが期待されている。








日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION