日本財団 図書館


(2) 植生と土地利用の様相
 近年における、横須賀市の植生の変化を土地利用の変遷とあわせて整理を行う。
 
ア 現在の植生の概況
 かつては、三浦半島全域にわたって、照葉樹林が広がっていたが、現在ではそのほとんどは、田畑や宅地・道路、二次林や植林地となっており、ごく一部が社寺周辺や斜面に残されているにすぎない。
 これら二次林は、コナラ、クヌギなどの落葉広葉樹からなる雑木林である。また、植林地の多くは、スギ林かヒノキ林である。現存植生図(昭和58年度調査)でみると、丘陵地は主に「クサイチゴ-タラノキ群落」「オニバリ-コナラ群落」の植生となっている。
図表3-5 猿島-小田和湾の植生断面図(図表3-6のA-A断面に対応)
(拡大画面: 44 KB)
図表3-6 横須賀市の植生の現状
(拡大画面: 371 KB)
資料:環境庁「現存植生図」(昭和60年3月)
 
イ 土地利用の変遷と植生の変化
 昭和40年当時の土地利用図をみると、当時の市街地は、主に沿岸部の低地と谷戸部を中心に分布していたことがわかる(図表3-7参照)。しかし、先にも示したように、その後、丘陵部における宅地開発、沿岸部における埋立てが行われ、市街地の拡大が進展し、現在では、横須賀市東部の丘陵地の多くが宅地開発により市街化されている(図表3-8参照)。また、これら市街地の拡大には、丘陵部大規模造成、沿岸部の埋め立てによる面的拡大と、沿岸域を中心とした建物の高層化による鉛直的拡大の2つの方向性がみられる。
 ここで、横須賀市の植生の状況を、上記市街化の進展に伴う土地利用の変化と重ねあわせて考えると、丘陵地における大規模造成により、丘陵頂部の緑が着実に少なくなってきていることがわかる。
 しかし、その一方で、台地斜面(崖)の緑は比較的保たれており、市街化の進展後も斜面緑地が比較的残っていることが、横須賀市の景観を考える上での大きな特徴である。次頁以降に、昭和40年(1965年)と平成10年(1998年)の土地利用図を示す。
写真3-1 市街化の進展後も保たれている斜面緑地(横須賀中央駅裏)
写真3-2 丘陵部における大規模宅地開発(桜丘、浦上台)と沿岸部の埋立て(馬堀海岸)
資料:よこすか80周年イベント実行委員会
「空から見る三浦半島」(昭和62年1月)








日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION