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7 鹿角ふるさと市民制度の特徴
 以上で見てきたように、ふるさと市民制度の基本は、人と人との交流や結びつきを基礎として、それを維持・強化するネットワークである。この制度創設の視点に基づき、ネットワークとしての「ふるさと市民制度」は次のような特色を持つものとする。
(1) 自律的なネットワーク(次ぺ一ジ図参照)
 
・地域振興に極めて重要な役割を担うのは人・人材であり、本制度はそのネットワークである。人が人を呼び、交流の輪がしだいに広がっていくような、自律的な発展の仕組みを内包するものとする。
・最終的には、行政等への依存から抜けだした自発的・自律的な人のネットワークとなることを目指す。
(2) 多様な形態―交流から参加まで
 
・より多くの人に加わってもらい、ふるさと振興に様々な形での協力を得るため、「交流型」からまちづくりなどへの「参加型」まで多様な形態をもつ。
・出身者へのアンケート調査結果から、多様なサービスの提供が必要であり、また多様な協力も期待できる。そこで、メニューなどに応じ、会費を負担する会員と無料会員制度などを設ける。
(3) 誰もが参加できる仕組み
 
・多様な人が加わったネットワークが重要であり、資格、要件に制約は設けない。
・情報などでつながっているだけの人も「ふるさとネットワーク市民」である。
(4) 居住市民、企業市民の参加
 
・鹿角市民、企業市民も、まちづくりの主体として、またネットワークを形成するひとりとして「ふるさと市民」に位置づける。
(5) 小回りの効くネットワーク
 
・「ふるさと大使」のように構えずに、地域の課題について気軽に相談でき、協力体制を得られるような、小回りの効くネットワークにする。
図表3−7 ネットワークのイメージ
【従来の「ふるさと大使」のイメージ】
 
【「ふるさと市民」のイメージ】
 
・調整機関・情報集約拠点としての市役所
・情報機関としてのINKOC
・まちづくり企画、商社としての「まちづくり会社」
・まちづくりや・情報提供などの主体=市民・企業・観光施設など
 








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