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「エンジンの定期メンテナンス記録」記入要領
 
[1] 本用紙は,当協会が行う「定期メンテナンス推進事業」の実施にあたって,会員が定期メンテナンスを行う時に使用することを目的とし,標準化した物です。
 
[2] 様式は,3枚複写になっています。1枚目は会員控え,2枚目は協会宛送付用,3枚目が「定期メンテナンス」実施報告書としてお客様への提出用です。
 
[3] 記載にあたっては,本様式に基づき的確に保守点検を行いその結果を記録してください。
 
[4] 保守点検にあたり,その方法,部品の交換,注意事項については「点検基準」に基づき判断してください。
 
[5] 「点検表」の「実施内容」欄には実施事項を「○」で囲んでください。また「処置」欄には処置記号に従って記号で記入してください。その他特記事項があれば「備考」欄に記入してください。
 
[6] 「その他・所見」欄には点検結果気付き事項(お客さまへの注意事項),要処置事項等を記入の上,記載事項について十分お客さまに説明してください。また,次回予定日を記入してください。
 
[7] 保守点検終了後実施者は実施日の記入および署名押印してください。なお,実施者が整備士の有資格者の場合は,その証明書番号および級を記入して,検印を押印してください。
 
 
 
定期メンテナンス記録
 
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点検基準
 
― 点検基準 ―
保守点検項目 保守点検のポイント
潤滑油 エンジンオイル 油量の点検・補給・交換(交換の目安はA重油:250時間、軽油:500時間)。
クラッチオイル 油量の点検・補給・交換(交換の目安は年1回全量交換。
オイルエレメント 油漏れの有無、ろ紙エレメントはオイル交換時には必ず交換。他のエレメントは洗浄。
その他 1)各配管、接続部の油漏れの有無。ある場合は、増締め・補修。
2)油量増加の場合は、その原因(水又は燃料の混入等)を調査し不良箇所を修理するとともにオイルは全量交換。
燃料油 燃料フィルタ ろ紙エレメントは交換後500時間を経過したものは交換。他のエレメントは洗浄。
ドレーン抜き 油水分離器よりドレーンを抜く(燃料タンク及び燃料こし器にドレーン抜きがある場合は、同時に行う)。
その他 各配管、接続部の燃料漏れの有無。ある場合は増締め・補修。
冷却水 清水等 1)各ホース、接続部の水漏れの有無。ある場合は増締め・補修。
2)リザーブタンクの清水の量が規定量以下の場合は補給。
3)冷却水にクーラント(不凍液、防錆剤)を使用している場合は使用後2年以上経過したものは交換。
海水等 1)防食亜鉛は、交換後6ヶ月を経過したもの又は1/2以上腐食しているものは交換
2)海水の揚水状況点検。
3)海水ポンプインペラの点検。翼が欠損している場合は交換。
4)海水こし器の汚れ、目詰まり点検・清掃。
5)キングストンコックの漏れ、目詰まり、腐食、作動の点検・清掃・調整。
過給機 エアフィルタ 汚れ、目詰まりがある場合は洗浄する。汚れ、目詰まりが激しい場合は交換
ロータ軸 ロータ軸の軸方向及び径方向の遊びを点検し、異常があれば整備又は交換。
ブロア・タービン 汚れの度合点検、ひどい場合は洗浄。また、インタクーラ点検・清掃。ホイールの曲がり、亀裂の有無。ある場合は交換。
リモコン装置 ハンドル ガタの量、作動の重さ加減。異常がある場合は調整
ワイヤ 損傷の有無、発錆の有無。ある場合は交換
バッテリ関係 バッテリ 1)液量が規定量以下の場合は補給。
2)電解液の比重が1.24以下の場合は補充電。
3)配線接続部に異常のある場合は補修。
駆動用ベルト 1)「ゆるみ」がある場合は張りを調整
2)摩耗度点検、「摩耗」「きず」等がある場合は交換
機関脚ボルト ボルト 緩みの有無点検・増締め。著しい発錆の有無、ある場合は交換
シム シム(調整板)の飛び出しの有無点検。
船尾管軸封装置 グランドバッキン 海水漏れの有無点検・調整。パッキン締め代残量の確認、無い場合はパッキン交換
シールスタン 海水漏れの有無点検・交換
アウトドライブ装置 オイル 油量の点検・補給・交換(交換の目安は年1回全量交換)、変色(乳化)時は全量交換
その他 亜鉛の点検・交換、プロペラの点検・補修・交換。
運転状況 始動性 起動確認(始動促進装置付きは機能確認)。
異音 機関周辺からの異音の有無、接触音の有無確認。
振動 異常な振動・ギア音が無いこと。
排気色 起動直後の煙の状態、清水温度上昇による変化確認。
操舵装置 オイル 油漏れの有無確認。異常ある場合は修理
その他 操舵角度の確認
その他 警報装置・急発進防止装置 作動の有無を確認し、異常があれば調整・修理
計器盤 各計器の作動、照明灯点灯を確認し、異常があれば調整・修理
制限装置 正常な状態に維持されているか確認。正常でない場合には船主に喚起する。
注:保守点検終了後は、必ず次の内容に異常がないことを確認してください。
[1]水、油、ガス漏れ [2]排気色 [3]海水の上がり、漏れ [4]計器類の作動 [5]エンジン部等の音及び振動
社団法人 日本舶用機関整備協会
 








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