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3) ZPジョイスティック統括制御システム
 株式会社 新潟鉄工所

 従来、ZP及びバウスラスタを搭載したサプライボート、タグボート等の作業船での操船には、熟練した技術が必要でした。
 しかし今回新規開発しました本システムを導入しますと、「1本のジョイスティックレバー」を操作するだけで船を任意の方向へ容易に移動させることが可能な「簡単かつ高性能なZP操縦システム」を構築できます。
 
1 全体構成
 
2 構成機器
[1] 操作ユニット
 操縦ハンドル(ジョイスティック及び回頭レバー)、各種スイッチや表示灯等を装備するユニットです。ポータブルタイプで据付固定も可能です。
[2] 制御ユニット
 本制御システムの中枢となるユニットです。
各ユニットとLAN経由でデータを送受し、ZPとバウスラスタの最適な制御量を演算します。またLCDタッチパネルからは、設定値の変更や各データ、及びアラーム情報の読み出しが可能です。
[3] 入出力ユニット
ZPやバウスラスタの制御信号、及びジャイロコンパスやGPS等のセンサー信号を入出力するユニットです。制御ユニットとは、LAN通信*1を使用しています。
*1LAN通信:工業用ローカルエリアネットワーク(ARCNET)
[4] 操船シミュレータ用PC
本システムの初期パラメータ計算、及び乗組員の操船トレーニング等で使用します。「操船シミュレータ」に本船の船体要目を入力するだけで、パソコン上で擬似的に対象船の操船が可能になります。この擬似船を動作させて本システムの初期パラメータを計算しますので、実船での調整時間が大幅に短縮されます。
3 基本制御機能
[1] オートヘディング機能
 ジャイロコンパス(及びGPS)からの方位信号により、船首方位を自動的に保持(オートヘディング)する機能です。離接岸時や船を平行移動させたい場合等にとても便利です。
○ヘディングオン・スイッチ入れるだけで、ZP及びバウスラスタの方位一定制御を開始します。あとはジョイスティックレバーを操作するだけで、任意に平行移動が可能になります。
○方位を変更する場合は、回頭レバーを操作するだけで簡単に変更できます。
[2] オートパイロット機能
 設定した船首方位に向かって自動航行(オートパイロット)する機能です。
○船首を保持したい方位に向け(或いは、操作ユニット上の方位角度入力ボタンで設定)オートパイロット・スイッチを入れるだけで自動航行制御を開始します。この時、船速はジョイスティックレバーの倒し量(角度)に比例します。
○自動航行中に一時的に方位を変更したい場合(障害物を確認した時等)は、手動で回頭レバーを操作して回避出来ます。回避後、回頭レバーを放すと元の方位に向かって再度自動航行を開始します。
[3] 一点旋回機能
 船体を、「船首」、「船体中央」、「船尾」のいずれかを中心にして旋回させる機能です。
○旋回中心モードスイッチで、「BOW(船首)」・「CENTER(中央)」・「STERN(船尾)」を選択します。後は回頭レバーを操作するだけで、簡単に船体を旋回させることが出来ます。また、ジョイスティックレバーを併用することで多彩な操船が可能になります。
○操船モードが「ヘディング・オン」の時は、「船尾」旋回となります。
※〔左旋回する場合〕回頭レバー:左側に倒す。
その他、ジョイスティックレバーとの組み合わせで多彩な操船が可能です。








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