5) ヤマハMD750KHα・KUH・KUHp型
ヤマハ発動機株式会社
新MD750シリーズは、法70馬力クラス最大の排気量とクラス初のツインターボの採用により、業界トップの高出力を実現しました。様々なユーザの使用状況に応えるために、法70馬力クラスでトップの360kW(490馬力)を誇るMD750KUHp、バランスに優れたMD750KUH、トルク重視のMD750KUHαの3仕様を設定しています。更に、マリンギヤも従来のストレートドライブに加え、MD1051で好評のアングルドライブ仕様を設定しています。全高の低減により、低重心化と有効スペースの拡大が実現し、船の実力を最大限に引き出します。
<特徴>
1. 新開発のマリンディーゼルエンジン
[1] 750シリーズとして、310kW(421馬力)〜360kW(490馬力)までラインナップしました。
[2] 排気量をクラス最大の7,534mm3とし、漁船法 新法70馬力クラスの中でトップレベルの性能を実現しました。また、OHCバルブ駆動やリヤギヤトレーンの採用等により軽量でコンパクトなヤマハエンジンの特徴を追求し、漁船の高性能と経済性をハイレベルで実現しました。
[3] クラス初のツインターボシステムを採用することにより、全域での高出力化、特に中低速トルクを大幅に向上しました。
[4] エアクーラには、フィン&チューブ方式を採用しターボチャージャーへの空気の充填率を大幅に高めました。
[5] 高出力化に伴う油温上昇に対応し、海水冷却オイルクーラを採用しました。オイル側にサーモスタットを設定し最適な油温にコントロールしています。
[7] オートPSDシステムを標準装備し、冷間時の白煙の低減をはかりました。
[8] オートグローコントロールシステムを標準装備し、冷機時のスムーズなエンジン始動を実現しました。
2. 新型マリンギヤの採用
[1] 750シリーズとして、ストレートドライブ改良に加え新開発のアングルドライブを設定しました。
業務用に対応したアングルドライブマリンギヤは、減速比2.96から1.53の4種類を設定し、使用用途の多用さをはかりました。
[2] 全てのマリンギヤは正転・逆転を可能とし、2機2軸の搭載にも対応しました。
[3] MD690シリーズで好評な電子制御微速装置をさらに改良し、トローリング運転の安定化とガラ音の低減をはかりました。
(ストレート・アングルマリンギヤ共)
3. 新デザインのメータパネルとスイッチの採用
[1] スイッチとメータを別体とし、取り付け時の自由度に配慮しました。
[2] メータ及びスイッチの照明を無段階の調整式とし、夜間の航行時における快適性に配慮しました。
[3] ブースト計・油圧計・燃料計の各メータをオプション設定し、ユーザニーズに合わせた選択ができるようにしました。
[4] ニュートラル表示ランプを標準設定し、シフト状態が一目で分かるようにしました。
[5] オイル交換表示ランプを標準設定し、ユーザのメンテナンスに配慮しました。
<主要外観寸法図(ストレートドライブ仕様)>
(拡大画面: 90 KB)
■ MD750KHα・KUH・KUHp仕様諸元
機 関 名 称 |
KHα |
KUH |
KUHp |
登録形式 |
N 492 |
N 491 |
N 494 |
マリンギヤ軸端最大出力{KW(PS)/rpm} |
310 (421)/2,800 |
340(462)/2,800 |
360(490)/2,800 |
使用条件 |
最大出力2時間以内 |
最大出力1時間以内 |
プレジャーボートレイティング |
形式 |
水冷4サイクル立型ディーゼル |
漁船法馬力数 |
70 |
シリンダー (数−配列) |
6−直列 |
シリンダー(内径×行程) (mm) |
110.9 × 130 |
行程比(行程/内径) |
1.18 |
排気量 (cm3) |
7,534 |
燃焼室形式 |
直接噴射式 |
使用燃料 |
軽油又はA重油 |
軽油 |
連続定格出力(JCI馬力) {KW(PS)/rpm} |
282(383)/2,714 |
309.5(421)/2,714 |
327.5(445)/2,724 |
無負荷最低回転速度 (rpm) |
525〜575rpm (ストレートマリンギヤ) |
550〜600rpm (アングルマリンギヤ ) |
最大据付傾斜角度 (度) |
前上がり12度 (ストレートマリンギヤ) |
前上がり2度 (アングルマリンギヤ ) |
全長 × 全幅 × 全高 (mm) |
1,670 × 916×978 (ストレートマリンギヤ) |
1,597 × 916×975 (アングルマリンギヤ) |
乾燥質量 (マリンギヤ含む) (kg) |
940 (ストレートマリンギヤ) |
960 (アングルマリンギヤ ) |
減速比 |
A:3.46 B:2.96 C:2.45 D:1.97 E:1.55 (ストレートマリンギヤ) |
B:2.96 C:2.46 D:2.03 E:1.53 (アングルマリンギヤ ) |
予熱装置 |
グロープラグ (アフターグロー) 方式 |
冷却方式 |
海水間接清水冷却 |
オルタネーター (V−A) |
24・50 |
バッテリー ( V-AH × 数 ) |
12−150 × 2以上 (12−200 × 2以上(寒冷地向)) |