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2. 軽量化
 小型漁船の場合、船速アップの要因の一つに機関重量がある。小形高速機関の軽量化は、アルミ部品の多様化を図ったり、コンピュータを用いた3次元FEM解析により、適正肉厚とした薄肉リブ構造のシリンダブロック等により実現している。また、ルーズフィットドライライナを採用し、シリンダピッチを短縮して、小形・軽量化を図っているものもある。
 小形舶用高速機関の出力当たりの重量推移を図14に、またシリンダ径に対する出力当たり重量の現状を図15に示す。

図14 出力当たり重量推移
図15 シリンダ径に対する出力当たり重量
3. 低燃費化
 燃料消費率の低減はいつの時代でも重要課題であって、たえず不断の研究努力が続けられている。現在、小形高速機関では205g/kWhの水準に達している。燃料消費率の推移を図16に示す。
 小形高速機関においても燃料消費率は噴射期間に大きく影響されるので、燃料ポンプ、燃料カム、燃料噴射管などを改善した高圧形噴射ポンプを採用し、噴射圧力を高め、燃料噴霧の微細化を図るとともに、噴射期間を短くして燃焼を改善、燃料消費率の低減を計っている。最近、より高圧噴射化をねらい、一層の燃焼改善を図る目的でユニットインジェクタを採用し、かつ電子制御(電子ガバナ)を装備している機関もある。(4項参照)
 また、過給機の効率も燃料消費率には大きく影響するので、新開発の効率のよいコンプレッサやタービンを採用して、作動性の良いところでマッチングを取り燃費改善を図っている。
 内航船主機を主体とする中低速機関では、小形高速機関以上に市場ニーズは強く、燃料消費率の低減に対する取組はより強く、現在、中速機関では185g/kWh、低速機関では175g/kWhの水準に達している。また、燃焼最高圧力が20MPaに達している機関もある。

図16 燃料消費率の推移








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