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2) NR型過給機への換装
株式会社 新潟鉄工所
 
1. はじめに
 ディーゼル機関を長年使用致しますと、経時変化により機関性能が低下し、排気温度の上昇、排気弁寿命の悪化、過給機のサージング発生などの不具合が発生し、機関出力を抑制せざるを得ない場合があります。
 この対策として、高性能過給機換装による性能改善があります。今回、現装過給機(NHP型又はVTR型)からNR24/Rに換装した結果、高性能が得られましたので、提案致します。
 
2. 高性能過給機
[1] 機関の性能改善


[2] NR/R型高性能過給機
 ドイツMANB&W社と1985年に技術提携して、約4500台の納入実績があります。この過給機の特徴は、高圧力比、高効率でありながらシンプルな構造であり、保守費用が安価となります。

  タービン型式 タービンケース 軸受け 構造
従来型 軸流タービン 要冷却 玉軸受け 複雑
NR/R型 ラジアルタービン 無冷却 平軸受け 簡単
喚装による
メリット
汚れに強い
メンテナンスフリー
腐食がないので
交換不要
従来型に比べ
3倍の寿命
取扱が容易
 
従来型過給機断面図
NR/R型過給機断面図
 
3. 性能改善結果
[1] 機関仕様

機関型式 出力 納入年 用途
16PA5V 2400kw 1988年 常用発電(産業プラント)

[2] 高性能過給機への換装

  出力 (kw) 排気温度 (℃) 燃料 (g/kW-h)
現装過給機NHP30AH 2300 437 213.8
高性能過給機NR24/R 2400 394 208.8
+100 - 43 - 5.0

 NR24/R型過給機への換装の結果、出力2300→2400kWとなった上、排気温度−43℃、燃費−5g/kW−hと改善効果が得られました。また、過給機が高効率となったため、タービンのノズルリング面積を大きくすることにより排気ガスが流れやすくなり、排気温度、給気圧力が低くなります。1年間の追跡調査した結果、経時変化もほとんど無く、下のグラフに示される様に良好に稼動しております。
[3] 経済効果
 上記[2]表より、過給機換装による1年間あたりの経済効果を計算すると下記の表の様になります。
(単位 : 千円)
項目 経済効果
燃料代の削減
(年間8000h運転)
△  2,171
出力上昇
(2300→2400kwによる電気代の削減)
△  4,070
オーバーホール費用 △    60
軸受け費用 △    220
合計 △  6,521









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