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1.4 寸法の記入法
 
1) 寸法線
 品物の寸法は4・9図のように、中央に数字を記入する。又寸法線は外形線から引き出した寸法補助線と直角にひき両端に矢印をつける。又、上記の方法で寸法を明記しにくい時は4・10図に示すように寸法補助線と寸法線はある角度をもって示すようにしている。次に角度を記入する寸法線は4・11図のように角度を構成する二辺の交点あるいはその延長線上の交点を中心とした円弧を用いてこれに矢印をつける。
4・9図
4・10図
4・11図
2) 引出線
 穴の寸法などを示す時に用いられる。この引出線は4・12図に示すように水平に対し60°とし引出される方に矢印をつけ、反対側の寸法数字を記入する側を水平とする。
 
3) 寸法に付記される記号
[1] φ(マル)……丸い物、孔の直径に用いられる。
[2] □(カク)……材料が正方形の時に用いられる。
[3] R(アール) …材料の半径、製品の曲がりの半径を表わす。
[4] t(ティ)  …材料の厚さを表わす。
[5] 球    …材料のある部分が球面である時に用いられる。
例、φ450球=直径450の球面
[6] C     …面とり記号。これは45°面とりに限り用いられ45°以外の面取りは4・13図のように深さ×角度で示す。
※ 2Cは面とり角45°深さ2mmを示す。
[7] 弧の長さを示すには4・14図のように示し、寸法線は弧と同心の円弧として示す。
[8] 弦の長さは4・15図のように弦に平行な寸法で示す。
4・12図
4・13図
4・14図
4・15図
 
4) 穴の寸法記入法
 材料にあけられている穴はその使用目的によって異なる。従って穴の種類としては旋削穴、鋳抜き穴、打抜き穴、きり穴などがあり、JISにおいては穴を示す時、その穴の種類を示す時に限り寸法にその名称を付記するように定められている。
 引出し線を用いて示す場合には、引き出し線は穴の中心を向き、水平線に対してなるべく60°をなす直線とし、引き出される側に矢印をつけてその先端を穴の外周につける。そしてその上に「5キリ」あるいは「245リーマ」などと記入する。
[1] 鋳抜き穴…鋳物をつくる時、中子を用いてあらかじめ穴として鋳造したもの。
[2] 打抜き穴…プレスにより打抜いた穴。
[3] きり穴 …ドリルであけた穴であり、同寸法の穴が多数ある場合は、数と寸法を記入する方法が用いられる。例えば「8−15キリ」と記入があれば直径15ミリのキリ穴が8個という指示である。
[4] リーマ穴…リーマで仕上げられた穴。この場合はリーマより少し小さい直径のきりで穴をあけてから、リーマを使うのが普通であるので両方の寸法が併記してある。
[5] 座ぐり穴…鋳物製品の面にボルト頭やナットが直接接触することは締付けが不確実となるので、接触する面を座ぐりきりによって平滑にけずる。これを座ぐり穴と呼ぶ、座ぐりの種類には4・16図に示すような3種類がある。
4・16図








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