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2.11 リモートコントロール装置(遠隔操縦装置)
 海上輸送や操業コストを低減し採算を維持向上させるため漁撈機器を始め殆んどの船舶機械類が自動化されつつあり、舶用ディーゼル機関も同様に主機、補機ともにブリッジに於て遠隔操縦できるようになりつつある。現在では小形の一部を除き殆んどが遠隔操縦装置を設け最大限に省力化されると共に機関の運転状態の確認ならびに保護監視上必要となる警報装置などを設け、ブリッジに居ながらにして対処できるようになっている。
 主機関はブリッジに於て操船するため、始動、停止、調速、クラッチ切換え操作などが行えるように操舵機のそばに各種スイッチ、レバー、ハンドルなどが配置されている。補機関の場合は機関室またはそれに隣接した監視室に制御盤を設けそこから遠隔操縦するようにしているのが一般的であり、これらの遠隔操縦を総称してリモートコントロール(略してリモコン)と呼んでいる。
 船の長さが25m以上のものやCPP(可変ピッチプロペラ)付の場合は操縦場所および監視場所に主機の非常停止装置を設けるよう安全法で義務付けられている。
一般的なリモートコントロール装置は、つぎの4つに分類することができる。
また、操作方式によりつぎの2つに分類されている。
 
(1) ツーハンドル・リモコン
減速逆転機の前後進切換ハンドルとガバナハンドルをそれぞれ別個に動かし操作するもの。
(2) ワンハンドル・リモコン
機関操作の簡略化を図るため、1個のハンドルで前後進の切換えとガバナの操作ができる。いずれもクラッチの切換えを低速時に行い、機関の増減速操作をクラッチハンドル嵌入後に行うような構造になっており、機関の運転、減速逆転機操作が極めて簡単にできる。








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