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2.4 潤滑装置
 各運動部分に潤滑油を供給する装置で潤滑油ポンプを用い、その関連装置として潤滑油コシ器、油圧調整弁、油圧計、油冷却器などで構成されている。
 
1) 潤滑油系統
 潤滑油系統は主軸受部のみ注油している極めて単純なものから、過給機やピストンをジェット冷却しているものまであり、メーカ、機種ごとに異なる。その一例として2・67図、2・68図に示す。
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2・67図 潤滑油系統図
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潤滑油ポンプはギヤ式でオイルパンより入口コシ器を通して、エンジンオイルを吸い上げメインメタルおよび弁腕他各部に強制注油している。
経路途中には、油圧スイッチを設け潤滑油を監視している。コシ器内の圧力差が設定値以上になるとバイパス弁が開く構造になっている。
2・68図 潤滑油系統図
2) 潤滑油ポンプ
 潤滑油ポンプは一般的にはギヤポンプが用いられるが、小形機関ではトロコイドポンプを用いているものもある。
(1) 構造と機能
(イ) ギヤポンプ
 2・69図に示すように、2個のギヤを回転させることにより、A部分より潤滑油を吸入して、ギヤの回転により潤滑油を圧送する。
(ロ) トロコイドポンプ
 2・70図に示すように、トロコイド曲線を利用した歯数の異った2個のロータを同方向へ回転させることにより、A部分を真空状態にして、潤滑油を吸入して、ロータの回転により潤滑油を圧送する。
2・69図 ギヤポンプ
2・70図 トロコイドポンプ
(2)点検と整備
 潤滑油ポンプの歯面の当り、摩耗、ピッチングおよび軸とブッシュの摩耗、損傷、焼付きのほか歯車側面の当たり、歯先とケースの当たり、などを点検する。
 軸とブッシュの摩耗が大きくなると歯先がケースに当るため修理限度を超える場合はブッシュの交換又は歯車の交換が必要となる。
 また、歯車の側面がケースに当る場合は組立スキマが過少か、軸の曲り、ブッシュの摩耗などによるのでサイドクリアランスを点検する。
 リリーフ弁、シートの当たりや弁ばねなどを点検、弁ばね力にへたりのあるものは交換するかシムを入れて開弁圧力を調整する。
2・71図 油ポンプのスキマ計測








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