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5. 海洋科学技術センター
研究項目 研究期間 担当 平成13年度予算(千円) 研究開発内容
計画 年度
1. 地球深部探査技術の開発   12 深海地球ドリリング計画推進本部 6,473,760 地球変動研究への貢献、未踏のマントルへの到達、地殻変動プロセスの解明、海底下の生命や資源の探求及び人類活動領域の拡大を目的として、大水深域において大深度の掘削が可能な地球深部探査船の建造を行なう。また、海底下深部の有用な窓である堀削孔内の観測を目的とした長期堀削孔内計測技術の研究開発を行なう。
2. 先進的技術の研究開発   4 海洋技術研究部 30,351 広範な海洋調査研究に必要な有人潜水調査船、無人探査機、汎用海洋観測機器等の開発の核となる以下の基盤技術を先進的に研究する。
[1] 映像技術 (海中用立体映像システム)
[2] 動力源 (燃料電池の性能向上他)
[3] 水中音響技術 (高速データ伝送システム)
[4] 計測及びセンサ技術 (水中移動距離計測)
3. 極限環境維持技術の研究開発   1 海洋技術研究部 8,334 深海地球ドリリング計画により探索が可能となる海底下地殻内の極限環境下に成育する特殊生物の研究のため、海底下地殻内から地上の条件に戻すことなく生息環境を維持した状態で抽出、培養が可能な実験システムを開発する。
4. 海洋観測ブイシステムの開発 10 9 海洋技術研究部 24,689 地球環境変動を評価するため、広範な海洋に多数の観測ブイを展開し長期間、継続的、立体的に多種類の海洋データを高精度で観測する必要があるが、現行の観測ブイシステムは耐候性、寿命等に問題がある。このため、長期間、高精度のデータをリアルタイムで収集できる高性能の海洋観測ブイシステムを開発する。
5. 海洋エネルギー利用技術の研究開発 15 13 海洋技術研究部 71,767 沖合浮体式波力装置 「マイティーホエール」 による実海域実験により自然エネルギー等との複合化技術や圧縮空気を用いた海水汲み上げシステムによる貧酸素水塊拡散技術及び洋上深層水汲み上げ技術の開発並びに波力発電装置の実用化に関する検討を行う。
6. 自律型無人潜水機の研究開発 7 4 海洋技術研究部 46,805 人類の活動に伴う一酸化炭素の排出量が増大し、このことで地球温暖化が進み、地球環境が変化しているといわれており、このメカニズムを明らかにすることが重要な課題となっている。このため、海水サンプルを収集し、海水中の炭素量を分析する必要がある。任意の海域及び水深の海水を自動的に採水することを可能とするため、長距離を自律して航行する無人潜水機を開発する。
研究項目 研究期間 担当 平成13年度予算(千円) 研究開発内容
計画 年度
7. 氷海域における無人潜水機技術の研究 5 4 海洋技術研究部 4,000 地球温暖化解明のために、北極域の調査が重要なテーマであるが、センターにおいては、氷海域で無人潜水機を活用したデータ収集の経験がない。米国アラスカ大学とともに有索無人潜水機 (ROV) 等を用いて実氷海域で氷厚、氷形状等の計測を行ない、低温対策や氷下の観測技術を研究する。また、近い将来必要となる氷海用無索無人潜水機の試験機を設計・試作し、各種性能試験を行なう。
8. 超高分解能遠距離海底探査ソナーの研究 3 2 海洋技術研究部 3,000 平成10〜12年度において、深海調査研究船 「かいれい」 に装備されているジョイスティック式手動操縦装置 (KICS) を活用し、風、潮流、波等の外乱の影響がある中でも、操船者の高度な力量に依らず自動的に操船可能な自動操船システムを完成した。本研究ではこの 「かいれい」 自動操船システムを用いて、無人探査機 「かいこう」 や曳航体などを定められた設定測線上にトレースさせることが可能な自動測線曳航行システムを構築する。
9. 減揺装置の性能向上に関する研究 3 3 海洋技術研究部 1,500 海洋調査等は、波浪による船体動揺が限界を超えると船上作業が実施困難になる。これを緩和するために一部の船舶に減揺装置が搭載されている。本研究では、減揺装置の現状調査、実海域データ取得を行ない、性能向上のための方法を検討する。
10. 「かいれい」 KICSを活用した曳航体の自動測線航行システムの研究 2 1 海洋技術研究部 3,000 海底活断層の観測や海底微地形の計測、また沈船の形状調査等では、水深の数倍の探査幅においてセンチメートルオーダーの分解能が要求されるが、現状のシービームやサイドスキャンソナーでは到底達成できない数値であり、新しい技術の開発が求められている。解決方法の一つとして、レーダーの分野ですでに実用化されている開口合成技術を用いる方法が考えられるが、特に海で使用するときは使用する曳航体等の動揺や信号処理の問題からまだ実用化されていない。このために、開口の位置や姿勢を正確に求める技術や各開口で得た音響信号を合成する信号処理の開発等が必要になる。本研究では、実用化のための前段階として、開口合成の方法について、基礎研究を行う。
研究項目 研究期間 担当 平成13年度予算(千円) 研究開発内容
計画 年度
11. 熱水ブルーム観    測技術に関する研究 4 2 海洋技術研究部 3,000 海底から噴出する熱水プルームの観測は地球内部ダイナミックス、全球的物質循環を把握する上で重要である。本研究では、熱水プルーム源の効率的探索、熱水プルーム変動の時空間的把握を行う上で必要となる要素技術として、プルームの化学的観測手法の開発、プルーム挙動モデリングの開発及びこれらの有効性を確認するための水理実験、現場観測を主として行う。
12. フレキシブルパイプの動的挙動の研究 3 2 海洋技術研究部 3,000 将来的な海洋研究に必要とされる新たな海洋開発基盤やシステム開発の1つとして、イニシャルコストの観点から有望視されている洋上型深層水汲み上げシステム、洋上プラットフォームにおける極限海象条件下を含めた長期自動観測技術、水深4000mの大水深における堀削技術開発などがある。これらの共通問題として、従来のライザー管とは異なる柔軟な素材から作られ可撓性が大きいフレキシブル取水・採水パイプもしくは物理的にこれと同等と見なされる堀削パイプの水中における動的挙動の解明が急務とされている。本研究では、流れと波浪外乱下におけるフレキシブルパイプの大変位かつプラットフォーム (浮体) との相互干渉まで含めた動的挙動について研究を行い、基盤技術の確立を目指す。
13. 高性能(軽比重・高強度)浮力材の研究 3 1 海洋技術研究部 2,000 有人潜水船や無人探査機の開発においては,使用深度が深くなる場合、耐圧容器自身の重量が大きくなるため浮力材の軽比重化・高圧縮強度が強く求められる。現在、多くの海中ロボットや海底石油削船で用いられる浮力材は、微細なガラスの球を樹脂で固めたシンタクチックフォームであるが、使用深度が深くなるにつれてガラスの膜厚が厚くなるために比重は大きくなる。本研究では、カーボンファイバー等を用いたセラミック複合材料の使用を念頭に置き、セラミック製の球とシンタクチックフォームの組合せによる軽比重化の研究を行う。
合計       6,675,206  








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