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1.塗料の計算
(1)塗装作業はエアレススプレーを主体とし、補助的な刷毛塗りやローラー塗装については塗料の使用量が極めて小さいので無視する。
(2)塗装作業に関しては、塗料の歩留まりロスする。歩留まりロスは主に塗料の使い残しとして発生し、廃油(廃塗料)として産業廃棄物になる。
(3)エアレススプレーの塗着効率は屋内作業の場合と、屋外作業の場合で異なり、従来からの実績から前者が80%で後者が60%と見なす。
(4)屋内および閉鎖区画での塗装作業では塗料ミストが作業場の外に排出されることは無く、塗料ミストの全量が塗料カスとして回収され産業廃棄物になる。
(5)屋外および開放区画での塗装作業では塗料ミストが作業場外にも排出され、一部は造船所の敷地外にも達する。この場合、塗料ミストの80%は造船所の敷地内に落下して廃棄物として回収されるが、残りの20%は造船所の敷地外に排出される。
(6)排出量については、造船所の敷地内に落ちた塗料はかき集めて産業廃棄物業者に引き取ってもらっているため、塗料の吹き付け中に事業所外へ飛散する「大気への排出」だけを計算する。
(7)移動量については、製品に付着して事業所外に出て行くか、産業廃棄物業者へ引き渡すかしかないため、「事業所外への移動」だけを計算する。
以上をまとめると、計算に使用する表は次のようになる。

塗装工程 作業形態 塗料歩留
ロス(*1)
塗着効率
(*2)
環境への排出
揮発分 固形分
(*3)
ショッププライマ塗装 自動・屋内エアレススプレ 2% 80% 100% 0%
ブロック塗装 屋内エアレススプレ 5% 80% 100% 0%
ブロック塗装 屋外エアレススプレ 5% 60% 100% 20%
区画塗装 閉鎖区画エアレススプレ 5% 80% 100% 0%
区画塗装 開放区画エアレススプレ 5% 60% 100% 20%
 
塗料の実際の使用量から、第一種指定化学物質の含有量を求めるベースとしては、本書の巻末に添付している、社団法人 日本塗料工業会が平成10年10月にまとめた「PRTRのための塗料標準組成表」を使用している。








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