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財団としては、形が残ったほうがいいのではないか。プロセスも大事だが、その結果このようなものができた。そこに財団が関わっているという形。ハードを作ることを前提で、やっているところに支援をする…。いい意味で手かせ、足かせをする。

 

|公共トイレと住民参加|

 

西澤  全国的な“これが推奨”というトイレができないのはわかるが…。それにしても、地域地域の特性で、地域ごとに議論をしていく必要性がわからない。

ものを決めていくプロセスが重要なこともわかるが…。

 

小林  結果は同じでも、各自治体で話したことが大事なのでは…。

 

草薙  話の密度の問題なのか…。

 

川内  それぞれの地域で解決方法が微妙に違ってくるだろうと思う。

自信をもって言えるのは、みんなの声を聞いて作ったトイレはひどいものはできないということ。最低限の担保はできる自信があるので、それぞれの地域特性を生かしたものを作るべきではないか。問題は、結果ではなく作っていく過程。その過程を勉強していくことで、地域のみんなのトイレに対する関心が深まって、メンテがやりやすくなる。他の効果が大きいので、地域でやる必要性があると思う。

 

小林  田舎のほうが車で移動する。

 

上  例えば、建設省でいえば、公園の作り方(児童公園・地区公園・総合公園・運動公園)。利用者のエリアを決めて、公園の規模や設備内容を決めている。例えば、小さな施設の時はどこまでの範囲の人というようにして意見を集約し、整備をしていく。バリアフリーやユニバーサルということも、その範囲内の人の意見を集約して、設備内容を決める。

トイレについても、その意見をどういう形で集め、具体化するかに尽きるのではないか…。

 

|ユニバーサルトイレをどう作る|

 

西澤  アンケートでも、他の事例を参考にするという答えが多かったが、トイレの作り方として考慮すべき事項は、ある程度のもの(いくつかのパターン)はあるということか。そういうものが先にあり、そこでさらに配慮を加えるべきかを、地元それぞれで議論すべきだということになるのか。

 

川内  参考にする事例はあるかということか。

 

小滝  いちおう今まで存在しているので、そのいいところをとって無理のない形で標準のメニューみたいなものを提示することになると思う。

 

上  『ハートビル・マニュアル』を作るのに、何人もの方に協力してもらっている。一つのモデルであるが、標準でもないし、ベースにはならないと思う。しかし、参考にはなると思う。現場を見たり知見を集約したもので、解答にはならないが、参考書にはなる。

 

小林  ベースとして参考になるものはある。それが本当によいかという検証は、まだ必要だと思う。

 

草薙  ユニバーサルトイレというのは、今ないものをこれからイメージするという形で、2m角でないもの、一般用にあるものも範囲に入れるとか、自由なことを言っていく。そこが大事なのではないかと思う。今あるものを工夫しましょうでなく、全く新しい考え方でもよいと思う。

 

 

 

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