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●手動車いす使用(男性)

車いすで使えるトイレは数が少ないので、街のどこにあるのか探すのが大変。やっと見つけても、使いにくいものがけっこうある。係の人を探さなければならないこともあり、外出の時には、使えるトイレの場所をいつも考えていて、知らない街に行くととても不安になる。

【ニーズ】

・トイレのある場所がすぐわかる

・使いたいときに使える

 

●オストメイト(女性)

ストーマ(人工肛門・人工膀胱)は括約筋がないので、体調によっては急激に排泄してしまい、緊急処置が必要な場合がある。その時、パウチの処理以外に、下半身や衣服を汚してしまうことがある。腹部、腸の洗浄のため、給湯設備は必須である。洗浄台の周辺に、パウチなど補助具を置ける平らな台や棚、フック、手を使わずに開閉できる構造の汚れ物入れを設置してほしい。男子専用便所にも必ず設置してほしい。パウチなど補装具の装着や、ストーマや、その周辺のケアを行うため、立体で腹部から上が見える大型平面鏡があると便利。

【ニーズ】

・給湯設備

・荷物置き台

・フック

・汚物入れ

・大型平面鏡

 

●松葉杖使用(女性)

足のけがで、松葉杖を使う生活を1か月半ほど続けた。特に感じたのが、トイレの床はほとんどタイルなので、滑りやすく怖かったこと。特に雨の日はタイルが濡れていて、入るのがためらわれた。また、ドアの開け閉めは、杖で支えたまま開けるには、内側に押すドアのほうが入りやすく、手前に引くドアは大変。片手でドアを引きながら、松葉杖をついて、横に移動しなければならなかった。

【ニーズ】

・滑りにくい床材

・内開き扉

 

●子供連れ

赤ちゃんを連れて外出する時に困るのは、おむつを替える時。おむつ替えベッドやコーナーがあり、清潔で、汚れたおむつも捨てられ、手も洗えるトイレがほしい。デパート等は充実しているが、小さな子のいる家族連れの多いファミリーレストランやホームセンターでは、まだ設置していない。男子トイレにもほしい。

【ニーズ】

・おむつ替えベッド

・おむつ捨て

 

●電動車いす使用(女性) 頚椎損傷/介助者要

体を曲げると元に戻らないので、自動扉のほうがよい。介助が二人必要なので、便器周辺に広い介助スペースが必要。そのため、可動手摺りがよい。カテーテルによる自己導尿を行っているため、排尿のために便座に移乗はせず、容器にためた尿を便器に捨てる。その際に、洗浄ボタンが便器の後ろにあると、便器が障害物となり水が流せない。おむつも使用するが、スペースがあればおむつ替えは自分でできる。介助者に待っていてもらう場所があるといい。

【ニーズ】

・自動扉

・可動手摺り

・介助スペース

 

●電動車いす使用(男性) 脳性麻痺/介助者なし

立位が可能であるため、車いす用トイレでなくても、一般の小便器が使用できる。その場合、アプローチは車いすが回転できる幅、1,500以上のスペースが必要。小便器に、手摺り等、手がかりになるものがほしい。床置き大便器は、アプローチした際に、フットレストが大便器にあたるため、便器に近づきにくい。

【ニーズ】

・車いすの回転できるスペース

・手摺り

 

 

 

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