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主催者あいさつ

森田文憲 (日本財団常務理事)

 

司会:ここで、開会に先立ちまして、主催者であります日本財団を代表しまして、常務理事の森田文憲よりご挨拶を申し上げます。

 

森田:本日は、「memento mori 宮城 2001」にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。本セミナーの開催にあたりましては、宮城県、仙台市、県の看護協会、宮城NPOセンターはじめ、多数の機関、団体にご後援、ご協力を賜りまして、深く感謝申し上げます。

今、司会者のほうから「memento mori」についての解説がございました。中世ヨーロッパでペストが猛威を振るいまして、多数の命を失ったときに作られた有名なラテン語でございまして、文字どおり、人間は生きていく上で死を侮り、忘れてはならないという戒めの言葉でございます。

健康で平穏な日常生活の中で、死は一見無縁に思われますが、9月11日ニューヨークの貿易センタービルのあの無残な姿は全世界に映像をもって伝わりました。突然の不慮の死もございます。戦争、自然災害、交通事故、自殺、犯罪による殺人。様々な死がございます。いついずこでいかように死が訪れるかわからないのが、これまた人生でございます。

人間としての生命の誕生は、同時に死に向かう出発ということは否定しようがない事実でございまして、まさに人は等しく死すべき必然の運命にあります。それゆえに、死は人間における生きることと共にある最大のテーマでございます。

今世紀、わが国は人類がかつて経験したことのない超高齢化社会を迎えます。20世紀に入ったときには、初めて40歳を超えた日本人の平均寿命は、わずか100年で2倍を超えてまいりました。豊かさと長寿の時代の中にあって、新しい価値や生き方が改めて問われているときでございます。

日本財団といたしましては、この重く、またしかも深いタイトルでございます「死」についてセミナーを開催いたしまして5回目になりますが、今までに合計で8千名を超える方の参加をいただきました。日野原先生をはじめとする著名な講師陣の魅力が第一ではございますが、それにいたしましても、今日の人々の死そのものへの関心の高まりを認識するものでございまして、私ども日本財団で様々な事業を行っておりますが、誠にこの事業活動に得るところ大でございます。

このセミナーのもとをたどると、本日一緒に共催いたしておりますライフプランニングセンターの、これまた日野原先生でございますが、を中心といたしまして、神奈川県平塚市にわが国で初めての独立型ホスピスを平成4年に建設、その建設を契機に、私ども日本財団でもホスピスの建設を支援することを始めました。またその後平成8年、私どもの内部に、日野原先生を委員長にするホスピス研究会を開設いたしまして、その成果によりまして、ホスピス専門ナースの養成をはじめ、様々なホスピスプログラムを展開してまいりました。なお、当地仙台におきましては、宮城野区にございます光が丘スペルマン病院の独立型ホスピス棟を平成10年に支援させていただいております。

ご紹介のとおり、私どもの財源は競艇でございますが、残念ながら宮城県には競艇場はございません。しかし平成10年、柴田郡川崎町、また平成11年に黒川郡大郷町に場外舟券売り場、競馬では馬券といいますが、競艇では舟券といいます。その舟券の販売所を開設いたしておりまして、地元の方々に大変親しんでいただいております。先ほどビデオでご覧いただいたように、この機会に競艇そのものにもご理解賜りたいと思います。

 

 

 

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