日本財団 図書館


不登校もその子の個性のひとつ

母親

 

不登校期間 小学2年2学期〜3年3学期(約1年6カ月) 7歳男子

 

《家族構成》

074-1.gif

 

本人について

家庭は、会社員の父とピアノ教師の母、2歳8カ月下に弟がひとり(その後もうひとり弟が生まれる)。同居はしていないが、近くに母方の祖父、祖母がおり、祖父は中学校の教師だったが当時は退職していました。母もまた独身の時は講師として、小学校の教壇に立っていたので、まさかわが子、孫が不登校になるとは信じられませんでした。しかし、父の弟である叔父が高校時代不登校だった経験もあり、比較的早く子どもの不登校を認めることができたのが幸いでした。

子育てについては、最初の子どもということもあり、かなり教育熱心で、生活面でもかなり神経質になっていたと思います。食事にも、かなり気を使いました(それが不登校に直接関係しているかどうか、今だわからないでいるが)。しかし、その他特別な子育てをしたわけではないと思っています。

本人は幼い頃より感受性が強く、優しい性格です。自分の思いより他人の思いを優先してしまうところがあり、子どもらしいというよりは、精神的にはかなり大人に近いと思います。

 

―経過―

息子の不登校にあせる私

小学2年生の2学期、つまり夏休み明けの2〜3日後、登校時間になると必ず「おなかが痛い」と言い、1週間もたたないうちに「絶対もう学校へは行きたくない」と言い出しました。そこまでイヤがる息子に何が起きたのかわかろうともせず、とにかく学校へは行かせなくてはとあせり、体を押したり、たたいたりしました(今思うと、なんてかわいそうなことをしたのでしょう…)。みるみる息子の顔は青くなり、唇も真っ青になってしまったのを記憶しています。

私はあせり、近くの祖母(私の実母)に連絡をして、すぐ来てもらいました。

「今日は無理やね、先生に連絡したら」と言われ、さっそく担任の先生に連絡をして欠席の理由を話すと、「不登校かもしれませんね」と言われました。そして先生に、「弟さんに手がかかるから寂しかったのかもしれませんね。しばらく親子でゆっくりされてはいかがですか」と勧められたので、次の日から親子でサイクリングをしたり、近くの公園でお弁当を食べたり、楽しい時間を過ごすことにしました。ゆっくり雲を眺めるのも楽しかったし、たくさん話す時間が持てたことも良かったのですが、知った人に会うと必ず「あれっ、どうしたの?風邪?」などと尋ねられ、返答に困りました。親切なのかおせっかいなのか…。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION