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3. 九十九里浜の原風景が残る浜

 

堀川海岸

 

ここは昔ながらの自然豊かな九十九里浜の姿を見ることができる、貴重な海岸です。 砂浜の背後には砂丘地が広がり、砂丘地特有の植物を数多く見ることができます。 また、こうした砂丘地で繁殖する海鳥たちの数少ない楽園でもあります。以前はごく当たり前だった光景も、今では約60kmの海岸線のうち、この付近の数kmを残すのみとなってしまいました。ここでは自然な状態の砂浜海岸とはどういう姿なのかについて学んでいきます。

 

【清野】 ここ堀川海岸では、鳥の糞が落ちて来るかもしれませんのでちょっと注意して下さい。なぜかというと、コアジサシという砂浜とか河原に卵を産む渡り鳥がいまして、それが今ちょうど繁殖期を迎えています。もしかするとヒナを見ることができるかもしれません。それで、親鳥がヒナを守るために侵入して来るものを攻撃して来ます。親鳥が神経質になっていますので、足元のヒナと、上空の親鳥にはぜひ気をつけて下さい。

 

【宇多】 この堀川海岸の雰囲気というのは、九十九里浜の原風景に最も近いものだろうと思います。護岸も何も無い、行けども行けども砂浜というこの風景というのは、今となっては日本中探してもなかなかお目にかかれない貴重な場所です。特に7月上旬は、ハマヒルガオが浜一面に咲き誇っていて、とてもきれいな場所です。

言ってみれば、ここは九十九里浜最後の楽園で、ここから北の海岸線はガックリくるような風景になるので、よく覚えておいて下さい。

 

ハマヒルガオ

ヒルガオ科 ヒルガオ属

砂地の海岸に生育する多年生草本で初夏に開花する。世界中に分布。

 

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咲き乱れるハマヒルガオの群生 (2001年6月)

 

 

 

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