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2000年(平成12年)

平成12年神審第37号
    件名
作業船第二海光丸灯浮標衝突事件(簡易)

    事件区分
衝突事件
    言渡年月日
平成12年8月8日

    審判庁区分
地方海難審判庁
神戸地方海難審判庁

阿部能正
    理事官
野村昌志

    受審人
A 職名:第二海光丸船長 海技免状:一級小型船舶操縦士
    指定海難関係人

    損害
海光丸・・・船首下部に破口を伴う凹傷
灯浮標・・・頭標、頭標支柱、標識名板及び梯子を曲損

    原因
見張り不十分

    主文
本件灯浮標衝突は、見張りが十分でなかったことによって発生したものである。
受審人Aを戒告する。

適条
海難審判法第4条第2項、同法第5条第1項第3号
    理由
(事実)
1 事件発生の年月日時刻及び場所
平成11年3月29日21時50分
徳島県橘港
2 船舶の要目
船種船名 作業船第二海光丸
総トン数 14トン
全長 15.7メートル
機関の種類 ディーゼル機関
出力 397キロワット
3 事実の経過
第二海光丸(以下「海光丸」という。)は、2基の機関を装備したFRP製の潜水作業などに使用される作業船で、A受審人が1人で乗り組み、作業員1人を乗せ、船首0.1メートル船尾1.0メートルの喫水をもって、平成11年3月29日21時10分徳島県伊島漁港を発し、同県橘港答島岸壁に向かった。
A受審人は、橘港に入航し、21時46分少し前橘港長島灯台(以下、航路標識の名称については「橘港」を省略する。)から137度(真方位、以下同じ。)750メートルの地点において、針路を273度に定め、機関を全速力前進にかけ、13.0ノットの対地速力で手動操舵より進行した。

ところで、答島岸壁への針路法は、同岸壁が橘港の北西側奥にあるところから、273度の針路で航行し、長島の西端とその西側の四国石灰や四国電力阿南発電所のあるふ頭(以下「ふ頭」という。)との可航幅380メートルばかりの間(以下「水路」という。)に向けて転針しなければならず、水路中央部からやや西側に当たる、長島灯台から264度990メートルの地点には幸野地先灯浮標が設置されており、その東側を北上する必要があった。
A受審人は、21時49分少し前長島灯台から235度840メートルの地点に達したとき、ふ頭に多数の灯火が設置されていたことから、これを見ながら323度の針路に転じたところ、正船首方490メートルに幸野地先灯浮標の灯光を認め得る状況となったが、これまでに右舷船首方の長島の西端から無灯火の漁船が出航してくることがあったので、同方向を見ることに気を取られ、正船首方の見張りを十分に行うことなく、同灯浮標の存在に気付かず、これに向首する針路のまま続航し、21時50分原針路、原速力のまま、海光丸は、その船首が幸野地先灯浮標の南東側に衝突し、これを押し倒した。

当時、天候は晴で風力2の北風が吹き、潮候は下げ潮の末期に当たり、視界は良好であった。
衝突の結果、海光丸は船首下部に破口を伴う凹傷を生じ、また、幸野地先灯浮標は頭標、頭標支柱、標識名板及び梯子を曲損し、のちいずれも修理された。


(原因)
本件灯浮標衝突は、夜間、徳島県橘港に入航中、見張り不十分で、幸野地先灯浮標に向首する針路のまま進行したことによって発生したものである。


(受審人の所為)
A受審人は、夜間、徳島県橘港に入航する場合、船首方向の幸野地先灯浮標を見落とさないよう、正船首方の見張りを十分に行うべき注意義務があった。しかるに、同人は、これまでに右舷船首方の長島の西端から無灯火の漁船が出航してくることがあったので、同方向を見ることに気を取られ、正船首方の見張りを十分に行わなかった職務上の過失により、幸野地先灯浮標の存在に気付かず、同灯浮標に向首する針路で進行して衝突を招き、海光丸の船首下部に破口を伴う凹傷を生じ、また、幸野地先灯浮標の頭標、頭標支柱、標識名板及び梯子を曲損させるに至った。






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