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付録1.2 DSC6における審議の概要

 

議事に先立ち、事務局次長Mr. Mitropoulosより開会の挨拶が述べられ、以下の事項の報告がなされた。

● MSC72においてIMDGコードの第30回改正が採択され、2001年1月1日に発効し実施猶予期間を1年とした。IMDGコードはDSC小委員会及びE&Tグループの努力によりこの改正で新しいフォーマットに変更された。

● MSC73においてIMDGコードを強制化することに原則として合意し、DSCに対し2004年1月1日を目標日とし、SOLAS条約の改正案及び将来のIMDGコードの改正手続き方法を準備してIMDGコードの第31回改正案とともにMSC75に提案するよう指示があった。

● また、固体ばら積み物質の液状化を含むBCコードの改正、部分風雨密ハッチカバーを有するコンテナ船における危険物を収納するコンテナに関する積付及び隔離要件等が今回の優先課題であることに言及した。

 

1 議題の採択(議題1関連)

議題は事務局案のとおり承認され、また、以下のワーキンググループ(WG)及びドラフティンググループ(DG)が設置されることとなった。

・WG1:BCコードの見直し

・WG2:EmSの改正

・WG3:ターミナル担当者に対する固体ばら積み貨物の荷役マニュアルの作成

・DG1:IMDGコードの強制化

・DG2:貨物固定マニュアル

また、目本の航海訓練所の練習船青雲丸及び海上保安大学校練習船こじまが来英し、両船の練習生及び教官等が20日(金)の午前中に小委員会の議事を傍聴したい旨希望していることの紹介があった。

 

2 他のIMO機関の決定(議題2関連)

DSC5以降開催されたMSC72〜74、MEPC44〜46、FAL28及びFP44等の決定が報告され、大半は関連議題の審議中に取り上げることとなった。議題2の中で検討された事項は次の通りである。

(1) 第28回FALの結果(危険物積荷目録)(DSC6/2/1)

危険物積荷目録はDSC5においてFAL条約のFAL FORM8として合意され、FAL2/CIRC.51として回章されたものであり、FALの要請によって記載事項、特に“Master's name”、“Voyage Number”についてその必要性の確認をDSCに求められた。

審議の結果、“Master's name”についてはこのままとするが、“Voyage number”については、“Voyage”に変更することが合意された。

 

(2) 氷海域における船舶オペレーションのガイドライン(DSC6/2/2)

DE44よりDSC小委員会へ氷海域における船舶オペレーションのガイドライン中、汚染物質の定義(G-3.19)及び汚染物質のダブルハル構造船による運送(3.3.1)について照会された。

これに関し、バハマから燃料油が汚染物質に挙げられているが、現存船に燃料油タンクのダブルハル化を要求することは難しいこと、また、日本よりMARPOL附属書IIの有害液体物質には汚染分類Dのケミカルタンカー以外で輸送できるものが含まれていること等が指摘されたが、英より、これはガイドラインであり条約の要求よりも厳しいのが当然という意見が出された。

議論の結果、

(イ) 蘭の提案より、G3-19の「汚染物質はMARPOL附属書Iの油・油性混合物・燃料油、附属書IIの有害液体物質、並びに附属書III(ばら積み運送時)を含む」とあるのは、附属書IIIの液体については附属書IIに規定されているので、附属書IIIの有害物質を「固体物質」に特定すべきこと、

(ロ) 日本の提案より「include(含む)」を「mean(意味する)」と改正すべきこと、

(ハ) 現在のDSC6/2/2para4ではBCコードがIMDGコードの一部であるかのような記述であるためこれは別個のコードであること

をDEに指摘することが合意された。

 

 

 

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