日本財団 図書館


そういう世界的な状況のなかで、先ほど申し上げましたコールの無担保が0.25まで引き上げられた。0.25ぐらいまでは私はあまり目くじら立てるべきじゃないとは思っているんですが、あのバブルの崩壊のプロセスで、15ヵ月でもって5回、6回金利を上げたとか下げたとかいうことからいたしますと、事態が急速に進むと、急に政策をうたなければならなくなるということもあり得る。

しかし、今預貸率が相対的に低くて、国債を持っているとか、公社債を持っている、そうすると公社債はこれからは時価会計になりますので、そうすると今100円しているものが金利が上がったということで、99円になった、98円になったとなったら、その1円は昔は含み損ということですんだんですが、これからは時価会計で全部表に現すということになりますので、銀行のバランスシートの中でクレジット・リスクも大変重要ですが、いわば金利リスクもこれから大変大きくなっていく。その金利リスクに対する対応が行われないと、またまた日本の金融機関の体力が傷むということになりますので、今盛んにそういうことを金融機関の経営者の皆さんに注意してほしいということを言っているんです。

そして最後のページが、これが27ページの表で、実は私はちょっと違う表をつくったんですが、(米大統領選挙で)テキサス州知事のブッシュさんが勝つか勝たないかよくわかりませんが、ブッシュさんの政権になった場合には財務長官になるだろうといわれているリンゼーさんがつくったグラフがこれでございまして、彼はどちらかというとアメリカの株価を大変心配しているんですが、あまりそれを言い過ぎたので若干不興をかっているというようですが、日本を1980年から、アメリカを1990年から、この対数で表してみますと、もちろんスケールは少しずつ変えてあるからそこはご容赦いただくとして、でもこういうふうにやってみると、非常によく似ていると。それで、一番最近のところだけが違っておりまして、我々の10年前の経験では、このころ急激に株価が落ちていったんですが、アメリカさんの場合には最近に至るもまた強気に1万600ドルとか、1万700ドルとかここらへんがどう推移するかによって、ユーロが今ちょっとおかしいというのと、アメリカの状況をどう受けとめるかによって、またまた日本の金融環境も大幅に変わってしまう。

その場合に、金融機関がどう対応できるかというんで、これは皆さまに教えていただきたい。私も一生懸命考えている。こんなふうな課題に満ち満ちているというようなことでございますので、あとは質疑でもって大いに叱られるなり何なりさせていただきたいと思います。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION