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牧野 皆さんこんにちは。きょうは21世紀の蓋開けのフォーラムですが、ここで香山さんをお迎えしてお話を伺うわけです。まさに文字通りの現場といいますか、業界のトップランナーとして現在も走り続けておられる方で、回を重ねてきた本フォーラムの議論のなかでも、かなり明確なお答えをいただいけるものと期待しております。会場にいらっしゃっている皆様方もいつもと同じように専門家でいらっしゃいますから、踏み込んだお話になるかと思いますが、前半は我々で話をさせていただきます。後半、皆様からもご意見やご感想をお聞かせ願いたいと思いますのて、そのつもりでお聞きいただけたらと思います。

実は、準備室での打ち合わせで、ポイントになるところはかなり突っ込んだ話し合いをしたのですが、これから、セガの「再建」といってもいいのか、―そういう言い方をしたら失礼なのかもしれませんが―、ここに取り組もうという大変なお立場です。日本のキャラクタービジネスの世界における現在位置を、どのあたりに置いておられるのか?まず、そのあたりからお話下さい。

 

香山 香山です。よろしくお願いします。

私の場合、これまでメディアファクトリーで仕事をしたり、今はセガで仕事をさせていただいておりますので、自分がやっていることから世界を見ている実務家だといえます。従いまして、私の意見は一般論ではないかもしれませんが、日本のキャラクターというのは、実は世界のなかでポジションがないというふうに思っています。「ポケットモンスター」以前は特にそうです。逆に「ポケモン」以後は急速に変わっています。

「ポケモン」についてですが、海外展開当初は、任天堂のアメリカ法人社長の荒川さんから成功する確率は1割と言われ、それもマスターライセンスの状態で渡してもらって初めて成功の可能性が少し上がると言われていた状況で、小学館の久保さんを中心に関係者が大変な努力をして大きく当たってしまったんです。

そのあと、世界に占めるポジションが変わってきたと思います。それ以前は、「ドラゴンボール」ですとか「アルプスの少女ハイジ」ですとかが広く流通していますが、ああいった作品は世界で日本のキャラクターだと思われていなかったと思います。

 

 

 

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