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野崎 皆様お忙しいところをお集まりいただきましてありがとうございます。本日は、韓国の徳成女子大学の教授でいらっしゃって、かつ韓国漫画・アニメーション学会の会長でいらっしゃる李元馥先生と、シンガポール国立大学で日本文化について教えていらっしゃる呉偉明先生のお二方をお招きすることができまして大変光栄です。

本日のメンバーはパネルディスカッションがはじまるときに改めてご紹介しますが、それに先立ちまして、お二人からの基調講演をお聞きしたいと思います。それぞれのお国で日本のマンガやアニメーションがどのように理解されているか、そして、それぞれの独自のマンガやアニメーションがどのようにこれから融合していくのか、それからマンガとアニメーションという文化を通して、民族がそれぞれどうやって理解して、どのような協力関係ができていくのかというような大変興味深いお話がたくさんあると思います。

それでは、まず李さんから基調講演をお願いいたします。

 

李元馥 皆さんこんにちは。韓国から来た李元馥と申します。

今回皆さんにお集まりいただいたこのフォーラムは、日本のアニメーション協会にとってものすごく大事なことだと思いますが、韓国のアニメーション業界の行き先を知らせるということも一つの意味として大事ではないかと思っており、今日はそういう観点からお話をしたいと思っています。

韓国のアニメーションの歴史は、日本やアメリカに比べると非常に短いです。韓国のアニメーションの出発点は、1950年代のコマーシャルや1960年代のテレビのアニメーションが始まりになっております。そのようなアニメーションというのは、ほとんど外国からの輸入に頼ったものだったんですが、1970年代に入ってアメリカや日本からアニメーションの制作を依頼されるようなり、この頃から注文制作から始まって韓国のアニメーションが育ちはじめました。

1970年代、80年代に注文制作をたくさん経験することによって、値段に比べて結構質のいいものをつくるようになりました。日本やアメリカからの依頼によるアニメーションの制作でありましたが、それにより生産量としては世界で第3位までのぼることができました。

 

 

 

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