牧野 今日は、初めて参加される方の他、梶原知事がいらっしゃるということで、各県の東京事務所代表の方々も多数お見えいただいております。ご本人が会場にいらっしゃってから申し上げようと思っていたのですが、岐阜県は、知事が自ら「マンガ立県」という表現をなさいました。実際に、宮川村という、富山県に近い村で―高山や白川郷にも近いところなのですが―人口1200人ほどの過疎村で、「国際まんがカーニバル」ですとか、4億円をかけてマンガ図書館をつくったりという活動をしています。私も、それに当初から関係しています。また、大垣女子短期大学ではマンガコースを設置しました。このように岐阜県では、早くから施策の中に「マンガ」を生かしているのです。それを知事から直接、県の文化行政の中にどのように位置づけているのかをお聞きし、それが地方文化全体に及ぼす影響、―ひいては、地方からの文化情報発信とどのように関係させていくのかというお話をうかがいたいと思っています。
来年の2001年4月には、文部省の中学校美術指導要領の中に、マンガ、アニメ、CGなどという言葉が入ってきました。知事は「国」に先んじてこうした視点をもっておられたわけですが、多くの県、文化政策の中で、特にマンガ、アニメなどに着目された理由と、今後どんなふうに展開されるかというようなこともお聞きしたいなと思っております。
その前に、一言、このフォーラムそのものの仕掛人である日下さんから、お話をいただきたいと思います。
日下 20年くらい前に、アメリカのコミック専門雑誌に、「日本人はコミックという言葉の中身を変えた」と書いてありました。何を指して言っているのかわかりませんが、我々が普通にやっていることが向こうの人に大きなショックを与えたようだと理解しました。どこがどうだというのは、その後いろんな人が言うことになるわけです。日本のマンガは、やっぱり大変よいものらしくて、その後世界じゅうに自然に広がりました。
フランスでは、このごろ日本のアニメがそれはたくさん放映されております。