日本財団 図書館


・大阪湾では神戸、USJを起点にする以外は新規航路は考えられない。旅行会社から見れば、関西国際空港は旅行の起点となるので、ここも起点の一つになるのではないか。

 

(3) (財)大阪湾ベイエリア開発推進機構

 

【大阪湾ベイエリア開発推進機構の取り組みについて】

・「なぎさ海道」推進マスタープランを平成9年に策定し、関連する事業(ワークショップなど)、広報等を展開している。「なぎさ海道」は全長1,500km。人の集まる施設や人の動く動線を「なぎさ海道」の要素として以下のようなものをピックアップ(登録)し、連携のもとで人を動かして活性化させていこうというのが基本的考え方。

1] なぎさスポット(歴史的・文化的な建築構造物等)

2] なぎさの拠点(親水空間のある施設、展望台等)

3] なぎさトレイル(遊歩道、自転車道等)

4] なぎさロード(海辺のドライブコース等)

5] なぎさシーライン(大阪湾内航路)

6] なぎさレールウェイ(海辺の鉄軌道)

・事業のJRとタイアップした企画(例えば「電車&フォトウォーク なぎさ海道を撮ろう 明石海峡大橋コース」)も行っている(大阪湾ベイエリア開発推進機構が協賛という形)。JRはPR力があるため連携先としては活用すべきだろう。

 

【大阪湾ベイエリア開発推進機構と航路活性化との関わりについて】

・海側から陸を見るというのは貴重な体験であり、なぎさ海道の展開の上でも、船は重要だと考えている。→「なぎさシーライン」の展開。

・例えば、「Ship & Walk」と銘打って、船と陸側の集客施設やルートを繋ぐということも考えられる。これはなぎさ海道の考え方にも沿っている。ただし、現状では、船とつながる施設が少ない。

・大阪湾ベイエリア開発推進機構で行っているワークショップを、船を使って行うということも考えられる。

・明石沿岸の施設と大阪沿岸の施設を結ぶのに、船を使うというような試みがあっても良いと思われる。ただし、定期的な利用となると、便数がないと不便となってしまうことが課題となる。やはり、こういった取り組みはイベント利用になるのではないか。

・こういった取り組みを実際に船を使ってやろうとしても、船会社の特質などから、PRできないかもしれない。←JRを絡ませることが最も有効。

・取り組みを進めていくには地元の自治体の協力も必要となる。小さな町の商工会議所などは協力してくれる場合が多い。←大きな自治体になると動きが鈍くなる。

・なぎさスルーパス(大阪湾内の航路の共通パス)のような試みも考えられる。

 

【海上航路の活性化の展望】

・海上旅行は、魅力的だが、現状では金がかかるというイメージがある。ただし、スタークルーズのような事例も出てきているし、早晩意識が変わってくるだろう。とくに、今の団塊世代が元気なままリタイヤしてくると、小金持ちが増えてくるので、その人達が海上観光のマーケットになるかもしれない。

・震災の教訓を生かし、防災船としての利用をシステムとして位置付ける方策も考えられる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION