(3) 採算性向上のための方策
上記の分析結果を踏まえると、海上観光事業の採算性向上のための方策は、以下の3点に集約される。
●付加価値付けによる高収益化
・レストラン船等において、料理や船内サービス等の内容の高付加価値化を行い、提供サービスに見合うだけの収入を得ることのできる事業展開を目指す。
・例えば、高級イメージの創出、人気ある船内イベントの導入など。
●船の効率的利用による稼働率向上
・固定費の負担割合を相対的に減らすために、船舶の遊休時間帯あるいは低利用率の時間帯の活用を促進する。例えば、平日午前中や冬季における団体チャーター利用の促進など。
●コスト削減
・既存船による用船(リース等)や減価償却済の中古船の導入などによる初期投資コストの削減を進める。
・勤務体制の見直し、退職船員の活用、アウトソーシング等により船員費の削減を進める。
・窓口業務等のアウトソーシングや情報化推進等により常勤人件費の削減を図る。