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技術講座については、講義・演習によりIMO関連条約の諸要件、図面審査・船舶検査の方法を詳細に説明し、船舶検査官および外国船舶監督官に必要な船舶検査技術の知識を習得してもらった。研修員はすでに本国においてそれぞれの業務に従事していたので、理解度は高く、全員非常に熱心に受講した。

講義期間中に研修旅行と日帰り見学を実施し、講義と関連ある現場を出来るだけ講師に案内してもらったので、研修員に大変好評で、もっと見学時間や見学日を増やして欲しかったとの意見があった。

 

現場実習については、2名ずつのグループに分け、各グループが2運輸局で船舶検査及びポートステートコントロール(PSC)の実習を受けた。実習先運輸局を決めるにあたっては、各運輸局の検査業務状況、研修員の母国での仕事の内容、取扱い船舶等を考慮して、運輸省の指導を受けて決定した。検査及対象船舶びPSC対象船舶の数・種類、検査対象舶用機械の数・種類等は運輸局によってまちまちであるが、各局とも万全の受け入れ体制をとって準備していただき、本来業務で多忙中にもかかわらず、毎日検査業務に研修員を引率して現場で指導していただいた。その結果・研修員は、きめ細かい指導が受けられ、実務知識を充分得ることができたと思われる。

 

スタディレポートについては、各研修員に自由に研究テーマを決めてもらい、講師が講義期間に資料収集を助けたり、技術的な助言を与えたりして指導した。実習期間にも講師が実習先に赴き、研修員のレポート完成に備えて指導した。実習終了後のレポートの発表・討論では、各研修員が自分の研究成果を発表し、他の研修員の質間やコメントに答えて、活発な討論を行った。これにより、他の研修員の研究成果も得られて大変有益であったとの意見があった。

 

コース全体としては、ほとんど全員の研修員が、研修内容、期間ともに適当で、講義で得た知識を実習で使って確認することが出来て大変有益であったと評価しているところから判断して、研修成果は大いに挙がったものと考えられる。

 

4. 所見

今回の研修員16名は、全員紳士的であり協力的であった。

生活面においては、今回、船舶安全・海洋汚染防止コース研修員21名が当センターに滞在していため、本コースの研修員の半数がホテル住まいとなった。平等性を保つため研修途中で宿舎の入れ替えをしてもらい、研修員には迷惑をかけることになった。ホテルから毎日通勤するに当たっては、真夏には暑さが厳しく、疲れた様子で、実習先移動を含み度々宿舎を変わらなければならなかったので、ホテル住まいが不便だと感じた研修員が多かった。また、ホテルの部屋の照明が悪いので、放課後も当センターに残って遅くまで勉強していた研修員が多かった。

 

 

 

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